京葉銀行ショーウィンドーギャラリーでは、「これからのカタチ」をテーマに、モノづくりの中にある作り手の想いや新しい発想、SDGsに関わる取り組み、地域の人と人とのつながりなど、目に見えないことも「カタチ」という言葉に込めて、各期ごとに異なるタイトルの展示をお届けしております。
2025年の第1期となる今回は、心地良い線や、優しいフォルムを持つデザインや手仕事、柔軟な発想から生まれたプロダクトなど、和やかなディスプレイに仕上げました。
電子書籍の購買・利用数が伸びていますが、それでも「紙の本が好き」という人は必ずいます。その理由の1つとして、書かれている内容はもちろんのこと、「読んでみたい」そして「手元に置きたい」と思わせるブックデザインがあります。テキストの世界観をわかりやすく、魅力的にビジュアル化する。そんなブックデザインというフィールドでのびのびと個性的なクリエイティビティを発揮している若手クリエイターの作品をご覧ください。
北岡 誠吾 グラフィックデザイナー
1993年東京生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。
デザイン会社に入社し、主にブックデザインを担当。2019年より独立し、多岐に渡るブックデザインをはじめ、ポスターやカタログなど幅広くデザインを手がける。
ブックデザイン
小林 千秋 イラストレーター・グラフィックデザイナー
1996年福島県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。
シンプルな線と構図を用いたイラストレーションを軸に書籍、雑誌、パッケージデザイン、アニメーション制作など、幅広く活動している。
装画
ミヤザキ イラストレーター
1992年島根県生まれ。大阪総合デザイン専門学校卒業。
シンプルな線とやわらかいフォルムが特徴のイラストレーション作品で注目されているクリエイター。
装画
竹細工作家、中山秀斗氏の作品は地道でていねいな作業から生まれた美しい網目が特徴。しかし、あくまで観賞用ではなく、日常で使われることで、暮らしを更にゆたかにしてくれる魅力があります。手作りのため、色や形に個体差があるのもポイントです。竹ならではの丈夫さがあり、使い込むほどにオンリーワンの味わいが加わり、さらに愛着が湧いていきます。
中山 秀斗
香川県高松市在住。
香川県漆芸研究所を経て大分県竹工芸訓練センターを修了後、竹細工作家として活動中。
FOODTEXTILE(フードテキスタイル)は、豊島株式会社による「ファッション業界から未活用食材等を再活用するプロジェクト」です。食品会社・飲食店・農園の製造過程で生まれる未活用の野菜や食材。これらの食材を色の素に加工して、アパレルをはじめ、人気企業とのコラボレーションで魅力的な衣料品や雑貨を生み出しています。2015年にSDGsという目標が策定されて1 0 年。サスティナブルなものづくりは資源の再利用から、新しい価値の創造へとシフトしているのかもしれません。
豊島株式会社
1841年創業。
180年を超える実績をもとに時代の変化に応じて事業領域を拡大。
持続可能なライフスタイルを提案する企業として、サスティナブル素材による商品開発も展開している。
金属加工技術で知られるものづくりの街、燕三条。その中でも特に際立つ企業のひとつがツボエです。110年以上、4代にわたり培われた技術で作り上げたおろし金は、料理のプロからご家庭まで、幅広い方々に愛され続ける1品です。さらに、伝統技術を継承するだけでなく、柔軟な発想でおろし金の新たな魅力を創出。1枚の紙をめくったような「irogami」は手のふちにフィットするデザインで、まるで自分の手のひらですりおろすという新しい感覚とともに、毎日の料理をもっと楽しく、もっと心地よくしてくれます。
株式会社ツボエ
明治40年創業のおろし金をはじめとした金属加工メーカー。
国内屈指の職人の街、新潟県燕市に工場を構え、110年以上にわたり妥協のないものづくりを貫いています。
木工・漆作家の長谷川誠氏のアトリエ「atelierdehors」の“dehors”はフランス語で「外」を表し、活動拠点である千葉県「外」房の意味なども込められています。その作品はバラエティに富んでいますが、共通しているのは「木が好き」という真っすぐな想い。小さな端材にも愛情をそそぎ、木目や個性を生かしたクリエーションからは、あたたかみのある美しさを感じます。もちろん、使い心地も極上。大切に扱い続けて生まれる経年変化の味わいも魅力です。
長谷川 誠
1990年代初頭から弦楽器奏者として活動。
2000年中頃、拠点を千葉県九十九里平野に移し、木と漆を使った創作を開始。
現在は大網白里市にアトリエを構え、数々の作品を生み出している。