樺細工は、山桜の樹皮を用いて作られる工芸品です。
樺細工は、主な技法として、木型に合わせて芯を作り、その上に樺を貼り付け筒状にする「型もの」(茶筒など)、下地の木地に樺を貼る「木地もの」(テーブルなど)、磨いた樹皮を数十枚重ね、厚くしたものを造形する「たたみもの」(ブローチなど)といった3つがあります。
樹皮特有の渋くて奥深い色合いや光沢の美しさは、使うほどに増していき、温かみを感じさせます。
奥会津編み組細工は、野山で採取できるヒロロや山ブドウ、マタタビなどの植物を素材とする編み細工です。奥会津編み組細工の原点は縄文時代で、三島町の荒屋敷(あらやしき)遺跡(2500年前の縄文晩期)からは、多くの籠類遺物が出土しています。
材料の採取から完成まで手作業で行われ、編み上げる籠や笊(ざる)などは、自然素材を用いた頑丈で素朴な手編みの良さが特徴です。
三島町では、伝統的な物づくりと豊かな自然を生かす『生活工芸運動』を展開し、奥会津編み組細工の新たな担い手も増えています。
菅笠は、スゲ草を編んだ笠で、古くは農作業や外出用の日除けや雨具、現在は踊り用や芝居用、民芸品として使われています。
高岡市福岡町では、市内を流れる小矢部川(おやべがわ)の氾濫で沿岸一帯に沼地ができ、良質なスゲ草が自生したことで菅笠作りが発展しました。
越中福岡の菅笠作りは、原料のスゲ栽培に始まり、数種類の竹で骨組みを作る「笠骨作り」、笠骨にスゲ草を縫い上げる「笠縫い」の全工程を一貫して生産します。
越中福岡の菅笠は祭事や神事用など、種類は多岐にわたり、現在、全国の菅笠の9割以上を生産しています。
ろくろ細工は、無垢(むく)の厚い板や丸太をろくろで廻しながら、カンナで挽(ひ)いて形を削り出す手法で作られます。木を知り尽くした木地師(きじし)と呼ばれる職人が、選木から木取り、ろくろ挽きから塗装まで、一人ですべての工程を一貫して行います。
南木曽地域は、江戸時代より、ケヤキ、クリ、サクラなど、木目の美しい広葉樹が豊富な地域です。木目や木質によって作る製品が決められます。
椀や盆、皿などの伝統品のみならず、近年は、筆記具やスピーカーなど、アイデアを駆使した製品にも用いられ、その魅力を大きく広げています。
ラフィアとは、アフリカやアジアの熱帯地域に生息するラフィア椰子の葉から採れる天然繊維です。
佐原ラフィアは、100年を超える歴史があり、高品質で世界的にも有名なマダガスカル島のラフィアを用いています。
ラフィアは染料が浸透しにくく、硬くて編み込みも困難でしたが、染色加工や製品作りに独自の技術を磨き、実用性に富んだ製品が誕生しました。使いこむほどに柔らかさとツヤが増し、丈夫で長持ちするため、帽子やハンドバッグは高い人気があります。