今回は「花やぐ(はなやぐ)」をテーマに、季節の花を生ける花器をご覧いただきます。
花器と花の共演から生まれる「いけばな」は室町時代からいくつもの芸術性が刺激し合いながら現在に至っています。
花の持つ強さややわらかさを自在に表現する五種類の素材の花器を飾りました。春色があふれる展示をお楽しみいただければ幸いです。
一本の真竹をくり貫いて作られた花器です。竹独特のしなやかさを活かして、把手を上に曲げ伸ばしています。
鶴のように首が細く伸びた、純銀の輝きが美しい花瓶です。大振りの花でも小花の束でも見事に映える曲線が特徴です。
古代中国の鶏血焼を参考に市川市で開発された独特の朱色の陶器・真朱焼です。現在は千葉県伝統工芸品に指定されています。
輪島塗りならではの滑らかな二色の漆が際立っています。この直径の花器を作るには、かなり年代ものの原木が使われています。
金銀銅の合金である唐銅(からかね)製の薄端です。中央に花を生ける口があって、取り外しができる広口の上皿を薄端といいます。