京葉銀行
2025
3/25

ライフイベント×お金
千葉県のお財布事情 
第5回:住宅

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ホーム【連載】ライフイベント×お金 千葉県のお財布事情 第5回:住宅

マイホームの購入は人生のビッグイベント。「今は賃貸だけど、いつかは自分の家を持ちたい!」と思う人も多いことでしょう。本記事では、千葉県の住宅購入事情のほか、住宅ローンを検討する際のポイント、失敗しない住宅購入の注意点をご紹介します。これから住宅を購入しようと考えている人も、お子さんなどのマイホーム購入を応援したいと考えている人も、まずは住宅購入の最新事情を知っておきましょう。

国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査」(PDF)では、注文住宅や建売住宅、分譲マンションなどの住宅を初めて購入する人は30歳代が最も多くなっています(注文住宅は全国、その他住宅は三大都市圏での調査)。

また、千葉県に住んでいる人の世帯数における持ち家比率は64.7%(2023年調査)で、25年前となる1998年の調査結果と比較すると2.5%増加しています※1。これは全国平均の60.9%を上回っており、千葉県内居住者のマイホーム志向はもちろん、県外からの住宅購入ニーズも高まっていることが予想されます。

千葉県の住宅価格の実情は?

戸建住宅(新築・中古)の価格状況をみると、2025年2月現在、千葉県内の物件の平均販売価格は3653万円でした。人気が高い浦安市を筆頭に、市川市、松戸市といった東京都に隣接するエリアや、千葉市美浜区、流山市、習志野市などが平均4000万円を超えています(京葉銀行調べ、インターネット広告を参照)。

注文住宅では、2023年度にフラット35を利用して住宅ローンを組み、千葉県で土地付き注文住宅を購入した人の平均所要資金は4862万円。内訳は建設費3399万円、土地代1463万円でした※2。また別の調査では、2024年に首都圏で新規に土地を取得し、家を建てる人の平均建築費用は3943万円、土地代の平均額は3148万円となり※3、エリアによって価格差が大きくなりそうです。ちなみに、首都圏で比較すると、千葉県は土地の価格が比較的安く、そのぶん建築費用にお金をかける傾向があるそうです。

では、マンションの価格状況をみていきましょう。千葉県内の新築マンションの平均供給価格(2024年)は5689万円と、前年から18.9%上昇したことが示されています※4。また、2025年2月現在の中古マンションの価格は、千葉県内の物件で平均2406万円となっています(京葉銀行調べ、インターネット広告を参照)。

家族構成やライフスタイルによって間取りや立地などが変わるため、購入金額も大きく変わることがあります。ただ、戸建住宅もマンションも総じて購入金額が年々上昇傾向にあり、将来的に持ち家の取得を考えている人はしっかり検討して準備する必要があります。

  1. ※2: 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2023年度)」
  2. ※3: 「2024年 注文住宅動向・トレンド調査/(株)リクルート調べ」(PDF)
  3. ※4: 長谷工総合研究所「CRI (No.558 / 2025年2月号)」

千葉県で使える住宅購入費用の補助制度

住宅取得にあたっては、住宅ローン減税やすまい給付金、贈与税の軽減措置などが講じられています※5。税制は定期的に見直されますが、こうした制度をうまく活用すれば、住宅を購入する際の後押しになりそうです。

加えて、千葉県内の各自治体でも、条件によって住宅取得時に購入費用などを補助する制度が用意されています。利用したい地域の市町村のホームページを確認し、有効に活用しましょう。ここでは、いくつかの市町村が設けている制度をピックアップしてご紹介します。

千葉市

千葉市結婚新生活支援事業/千葉市子育て世帯住替え支援事業

結婚またはパートナーシップ宣誓を機に、市内の「高経年住宅団地」に住み替える新婚等世帯(婚姻時に夫婦ともに39歳以下)および子育て世帯(小学生以下の子どもを養育または出産予定の子どもがいる場合)に対し、住居費、引越費用、リフォーム費用を最大30万円まで補助します。

  • 双方の年齢が29歳以下の場合は最大60万円

船橋市

親世帯・子育て世帯近居同居支援事業

離れて暮らす親世帯・子育て世帯が新たに近居(同一の小学校区または直線距離で1.2km以内の範囲に居住)または同居した場合、住居費の一部を助成します(建築・購入の場合:最大20万円)。

松戸市

松戸市結婚新生活住宅支援補助金

結婚を機に新生活を始める新婚世帯(婚姻時に夫婦ともに42歳以下)に対し、住居費、引越費用を最大60万円まで補助します。

南房総市

南房総市結婚新生活支援事業

結婚を機に市内で新婚生活を始める若者世帯(婚姻時に夫婦ともに39歳以下、所得合計500万円未満)に対し、住居費、引越費用、リフォーム費用を最大30万円まで補助します。

  • 双方の年齢が29歳以下の場合は最大60万円

夢のマイホームの実現を前に、あれこれ悩んでしまう人は少なくありません。どんな住宅タイプがよいのか、最良の立地は、周辺環境は、間取りは、内装は……、ベストな選択をしたいと思えば思うほど、悩みは尽きないものですよね。最高のマイホームの条件は人それぞれですが、ここでは過去に家を購入した人の経験などからよくいわれる「失敗しない」ための注意点をご紹介します。

暮らしにマッチした住宅を選択して

住宅にはいくつかの選択肢があります。「注文住宅」「建売住宅」「マンション」、さらに新築・中古があり、どんな種類を選ぶかによって検討する内容は異なります。

「立地の利便性よりも、広い土地で一戸建て」や「駅近・自家用車なしでもOK」、「自由にリノベーションしたい」など、自分が望む新しい生活をしっかりとイメージしてみてください。ライフスタイルや家族構成、今後の計画、収入や予算、立地などを鑑み、自分たちに合った住宅を選ぶことが成功のカギです。

近隣環境や将来的な変化にも注意

住宅そのものだけでなく、その住宅が建つ立地やその周辺の状況にも気を配る必要があります。交通機関や生活に必要なお店へのアクセスといった利便性だけでなく、気になる騒音や住民トラブル、子どもに悪影響が出るような施設の有無など、自分たちに必要な条件を確認してください。昼間・夜間、平日・休日で人の流れなどの状況が変わる可能性も十分に考慮しましょう。将来的な住みやすさを視野に入れて、周辺環境を確認しておくとよいでしょう。

日当たり、風向き、人の目を意識して

一般的に、日中に日当たりのよい南向きの住宅が人気です。ただし、住宅の日当たりにはメリットとデメリットがあるので、人気に左右されずに検討しましょう。夏と冬での寒暖の感じ方、家具やインテリアの日焼けなど、気になるポイントによっておすすめの方角がありますよ。また、風向きも意外と重要です。立地によって、異臭や砂埃、潮風など、生活に支障となる可能性がないかを確認しておくとよいでしょう。

そして、住む前には忘れがちなのが人の目です。自宅に面している道路だけでなく、隣地とどう接しているか、どこからの視線が気になるかといった観点も重要。検討の際は「実際に住んだらどうだろう」という考え方を意識しましょう。

相対評価ではなく、絶対評価で

住宅購入を検討しているときには、さまざまな物件を比較しながら見ることをおすすめします。初めから注文住宅一択で考えている場合でも、施工実績を複数チェックすることで、イメージや希望を具体化しやすくなります。

ただ、他と比較して相対評価すれば、より上位のグレードのほうがよく見えるのは当然のこと。確かにお金をかければマイホームは豪華に、便利になりますが、その代金を支払っていくのは自分です。相対評価ではなく「絶対評価」、つまり自分や家族の暮らしにとって必要十分であることを評価軸にするよう心がけましょう。

新築住宅の最新トレンド「ヌック」って?

近年、注文住宅などで人気が高まっている「ヌック」。スコットランド語の「イングル・ヌーク(暖炉のそばの腰掛け)」が語源だとされており「あたたかくて居心地のよい、こぢんまりとした空間」という意味で使われています。2~3畳程度の小さなくつろぎスペースのことを指しており、居室の一部の「小上がり」のような場所をイメージしてもよいかもしれません。家族とのつながりを感じながら、どこか隠れ家のような居場所が、家族との時間と自分だけの時間をうまく切り分ける最近の傾向にマッチしています。

そのほか、昔懐かしい平屋への回帰傾向や、住む人全員が心身ともに健康に暮らせるウェルビーイング住宅、洗濯動線を意識したランドリールームの設置などが最近のトレンド。暮らし方の変容とともに移り変わる住宅様式をキャッチアップして、お気に入りのマイホームを実現させましょう。

いざ自宅を購入しようと考えたとき、多くの人が悩むのが住宅ローンの選択です。住宅ローンを借り入れる場合、つぎのようなポイントに留意して検討を進めるとよいでしょう。

借入金額と自己資金額

初めに考えたいのは、借入金額と自己資金額のバランスです。一般的に、物件価格の20%を基準として、それ以上の金額を自己資金でまかなうことが理想とされていますが、頭金0円で借り入れができることもあるので、状況に応じて相談してみるとよいでしょう。

自己資金額は多いにこしたことはありませんが、貯蓄のほとんどを住宅の購入費用に充ててしまうのは高リスクです。住宅購入後は、ローン返済以外にも管理費や修繕費、固定資産税などの経費がかかります。さらに教育費や医療費、いざというときのための生活資金など、住宅以外にかかるお金のこともよく考え、手元に残す資金を考慮するのがポイント。一般に、住宅ローンはそのほかの目的のローンよりも金利が低い傾向にあるので、トータルの資金計画のなかでバランスを考えてみましょう。

借入先となる金融機関の種類

住宅ローンの主な借入先には、「銀行(民間の金融機関)の住宅ローン」、「公的融資(財形住宅融資)」、「フラット35」があります。

銀行の住宅ローンは、基本的に金利タイプが豊富で、比較的金利が低いことが特徴です。銀行でも「大手都市銀行」「ネット銀行」「地方銀行」でそれぞれ違った特色があります。

  • 大手都市銀行:

    大きな借入額まで申し込みができ、金利も低め。主に都市部に多くの店舗があり利便性に富んでいるが、自営業者の審査が厳しめ。

  • ネット銀行 :

    実店舗がない分金利が低い。個人の事案が勘案されにくいことや、相談がしにくく、自分で調べて申し込む必要あり。

  • 地方銀行  :

    その銀行の営業エリア内の物件に強く、優遇を受けやすい場合がある。また、自宅近くの窓口で相談することができ、世帯の状況などを考慮したローンの提案をしてもらいやすい。

申し込んだ結果、借入金額や金利が希望通りにならない場合もあります。複数の金融機関に事前審査(仮審査)を申し込むこともできるので、状況に応じて比較検討してみてください。

また、公的融資(財形住宅融資)は、財形貯蓄を1年以上継続している人を対象としたローンです。勤務先からの援助(負担軽減措置)が必要で、金利が低めで固定されています。長期的な視点で安定した返済を望む人に向いているため、条件が揃っていれば検討してみましょう。

フラット35は住宅金融支援機構が提供している住宅ローンで、全期間固定金利で最長35年の長期返済が可能です。将来の金利上昇リスクを避けたい人や長期的な返済計画を立てたい人のほか、審査基準が比較的緩やかなので、自営業者や勤続年数が短い人、フリーランスで働く人に向いています。省エネや耐震性能の高い住宅を購入する人は、金利が優遇されるフラット35Sが利用できます。

借入期間

何年のローンを組むかによって返済額が変わるため、年齢や収入と合わせて検討する必要があります。若い世代であれば、返済期間を50年などと長めに設定して月々の返済額を減らす選択肢も。一方で、住宅ローンを借り入れる年齢によっては20~30年先の収入が安定していない可能性もあります。将来の返済額も視野に、計画的な返済スケジュールを立ててください。

月々の返済額にゆとりが欲しいなら

金利タイプ

金利タイプは、大きく分けて「変動金利」と「固定金利」があります。

変動金利

半年に1回、相場に合わせた金利の見直しが行われることが多い。将来的な金利高騰リスクがあるものの、固定金利よりも金利が低く設定される。

固定金利

契約時に定めた期間の金利が変わらない。変動金利よりも金利は高めだが、金利が高騰しても返済額を抑えることができるメリットがある。全期間固定金利型、固定金利期間選択型を選べる。

返済方法

住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。

元利均等返済

毎月の返済額が一定で、返済当初は利息の割合が大きく、徐々に元金の割合が増えていく。将来の家計収支が予想しやすいメリットがある。

元金均等返済

毎月の元金返済額が一定。返済当初は返済額が多く、徐々に減少していく。総返済額は元利均等返済よりも少なくなる傾向がある。

団体信用生命保険

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの契約者が死亡または特定の高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残りを保険金で返済する生命保険です。多くの住宅ローンでは団体信用生命保険への加入が必要ですが、フラット35では健康上の理由で団体信用生命保険に加入できなくてもローンが組める場合も。保険料は住宅ローンの金利に上乗せされるもの、ローンとは別に支払うもののほか、金融機関が支払ってくれるケースもあります。

特約なしの団信のほか、がん保障付き団信、3大疾病・8大疾病まで保障する団信、そのほかの疾患までカバーする団信など、各種特約を用意している金融機関も。保険料分の支払いは上乗せされますが、住宅ローンを払い終わるまで保障してもらえるうえ、一般の生命保険・医療保険よりも有利な場合もあるため、内容を比較してしっかり検討しましょう。

その他の諸経費も確認を

最後に、事務取扱手数料や保証料などの諸経費も確認しましょう。金融機関によっては不要なものもあり、トータルの費用を抑えられることがあります。

ライフプランにマッチする、ベストな住宅購入を

マイホームは、多くの人が人生で経験する一番大きな買い物かもしれません。勢いで購入して後悔しないためにも、自分のライフプランを検討し、起こりうるライフイベントに合わせてお金のスケジュールを立てておきましょう。自分の現在の収入と貯蓄、将来の見込み年収、必要になる資金などを整理すれば、住宅購入に充てることができる予算が算出できます。また、この機会にお金のプロに聞いてみるのも一手。まずは気軽にお近くの銀行で相談してみてもよいですね。

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