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2024
4/25

千葉県民の防災とお金

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2024年の年明けから、日本の地震災害の大きさを目の当たりにすることとなりました。被災地域の人々が一日も早く元の生活を送れるようになることを祈りつつ、自分ごととしてできる限り備えておく必要があります。本記事では、千葉県に住む人が注意しておきたい災害、日ごろの備え、いざというときのお金のことなど、今からできる防災についてご紹介します。

島国である日本は、地震をはじめとする災害が起こりやすいといわれています。千葉県に住む人が知っておくべき災害リスクにはどんなものがあるのでしょうか。主なものをご紹介しましょう。

地震

千葉県で想定されている地震には、主に「北西部直下地震」と「大正型関東地震」があります。「北西部直下地震」はいわゆる首都直下地震(東京を含む南関東地域の直下を震源とするマグニチュード7以上の大規模地震)に分類され、これが起こった場合には千葉市、習志野市、船橋市、市川市などで震度6️強の揺れが生じるとされています。

政府の地震調査研究推進本部がまとめた「全国地震動予測地図2020年版」によれば、今後30年以内に千葉市で震度6強以上の地震が起こる確率は60%以上。将来的な地震のリスクを知り、自分ごととして考えておく必要があるでしょう。

津波

海底の下で大きな地震が発生すると、海底が隆起したり、沈んだりすることがあります。するとその動きによって海面が変動し、大きな波となって押し寄せます。これが津波です。

三方を海に囲まれ、海岸線が長い千葉県では、地震発生時の津波に十分に注意する必要があります。巨大な水の塊である波の威力は非常に大きいため、津波の高さが50cm程度であっても流される可能性があります。地震があったときには海岸に近づかず、なるべく海から離れた高い場所に避難しましょう。

液状化

地震が発生したときに地盤が液体状になることを液状化現象といいます。地盤が液状化すると、地面が沈下・陥没したり、砂や水が噴き出したりします。地盤が弱くなるため、住宅が損壊するリスクがあります。2011年に発生した東日本大震災でも、千葉県内の液状化被害がみられています。

風水害

日本には毎年、数多くの台風が接近・上陸します。太平洋側に位置する千葉県では、たびたび強風と豪雨による大きな被害に見舞われています。

一般的に、風速が15mを超えるとうまく歩けず転倒する人が出て、看板などが飛ぶこともあります。風速25m以上で取り付け不十分な屋外外装がはがれ、風速30m以上では樹木や電柱が倒れ、住宅が倒壊する恐れがあるといわれています。さらに、狭い地域に集中的に雨が降る集中豪雨では、河川の氾濫や土砂崩れ、がけ崩れなどによる大きな被害が予測されます。気象予報をよく確認し、頑丈な屋内に入ったり、倒壊の恐れのあるものからできるだけ離れたりといった備えが必要です。

火災

火災は、日ごろの火の不始末のほか、乾燥や強風、電気設備の不備などにも注意が必要な災害です。過去の地震では、地震の揺れで電気器具が倒れたことによる出火や、停電後の電気復旧時に火災が発生する電気火災が多くみられました。

火災の原因として挙げられるのは、多いものから順に「たばこ」、「放火」、「火遊び」、「コンロ」、「たき火」、「石油ストーブ」です。それぞれの取り扱いに注意するとともに、日ごろから近所などとの連携をとって、火災や延焼による被害を最小限に留めるよう備えておきましょう。

参考:

千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト『「もしも」に備えて できること ~千葉の地震防災のススメ~』(PDF)

千葉県「千葉県の防災対策まめ知識 じぶん防災」

千葉県民が注意すべき災害はさまざまです。ここからは、いざ災害が起こってから後悔しないように、すぐに取り組んでおきたい備えを紹介します。

備蓄

地震などで電気やガス、水道がストップしたとき、道路の損壊などで物流が滞ったときのためにも、普段から備蓄をしておく必要があります。

備蓄量の目安は「家族の人数×最低3日分」。できれば余裕を持って、1週間分用意しておきたいところです。とはいえ、1週間分の備蓄は場所をとりますし、消費期限も心配です。

そこでおすすめしたいのが「ローリングストック」という考え方です。普段から使っている食品や日用品を多めに買い置きして古いものから使っていき、使った分を順次補充していく……というやり方です。災害時に普段とは違う備蓄用の食品ばかり食べることになると、慣れない環境下では不安を増長することがあります。ローリングストックなら、普段通りの食べ物や好みの商品を食べることができるので、精神的不安が和らぎます。カセットコンロやカセットボンベ、水なども併せて用意しておき、簡単な調理ができるようにしておきましょう。また、そのまま食べられるお菓子なども重宝します。

主な備蓄品を以下にまとめます。

食料

  • 水(1人2リットル/1日)
    • 調理や手洗い、トイレなどの水は別途
  • レトルト食品
  • 米、アルファ米など
  • 日持ちする野菜
  • お菓子
  • 栄養補助食品
  • 野菜ジュース
  • カップ麺
  • 家族の好きな、日持ちする飲み物や食べ物

災害時に必要なもの

  • 携帯型ラジオ
  • 簡易トイレ
  • 懐中電灯
  • カセットコンロ
  • カセットボンベ
  • 充電済みの予備バッテリー
  • ゴミ袋

あると便利なもの

  • 食品用ラップ
  • 使い捨てビニール手袋
  • トイレットペーパー
  • 使い捨ての紙皿、割り箸
  • 液体はみがき

なお、乳児や高齢者がいる場合は、離乳食やおむつ、おしりふきなど、それぞれに必要な食品や日用品を用意しておく必要があります。その他、常備薬や生理用品など、家族が必要なものを常備しておきましょう。

連絡手段/避難経路の確認

災害時は、電話がつながらなかったり、メールが遅延したりすることがあります。普段使っているSNS、通信会社が開設する災害用伝言ダイヤル(171)など、緊急時に連絡を取り合う手段をいくつか決めておきましょう。時間があるときに、災害用伝言ダイヤルの使い方を調べ、家族間で共有しておくとよいですね。スマートフォンなどの電池が切れた場合に備え、家族や必要な場所への連絡先(電話番号・メールアドレスなど)を手帳やメモなどに控えておくのも忘れずに。

また、避難経路や避難場所についても話し合っておきましょう。自宅にいるとき、職場にいるとき、屋外にいるときなどの動きを決めておき、緊急時の行動や落ち合う場所などを定めておくと安心です。

家具などの転倒・落下防止

地震で大きな揺れが生じたときに、家具が倒れたり、落ちたりしないように対処しましょう。倒れて被害が出そうな大きな家具は、L字金具やベルトなどでしっかり固定してください。寝室や子ども部屋などにはできるだけ背の高い家具を置かないようにし、ガラスが飛散する恐れのある家具、落下しやすい照明器具などを避けましょう。

自宅の耐震性を高める

建てられてから時間が経っている古い家屋などは、地震や液状化によって倒壊する恐れがあります。以下に当てはまる建物は耐震診断を行い、耐震補強などを検討しましょう。

  • 昭和56年5月以前に建てられた
  • 埋立地、低湿地、盛土造成地にある
  • 老朽化している
  • シロアリ被害、腐食の恐れがある
  • 浸水、地震などの大きな災害にさらされたことがある
  • 1階部分の壁が少ない、駐車場になっている
  • 木造など、鉄筋コンクリート以外の工法で建てられている
  • 大きな吹き抜けがある

近隣との連携を強化する

大規模災害が発生した直後は消防や救急が行き届かない場合もあり、地域の声かけや助け合いが重要になります。現在、地域住民による自主防災組織が各地で作られ、災害時を想定した避難訓練や救助訓練を行っているそう。地域の防災訓練にはぜひ参加し、ご近所との連携ができるようにしておきましょう。

参考:

千葉県「ちば地震防災ガイド」

災害時は、平時とは違う出費が必要になります。いざ災害が起こったときに困らないよう、すぐに使えるお金を用意しておきましょう。備えておくべきは主に次の2つです。

緊急予備資金

災害時には、職場が被災して給与が滞ったり、ケガなどで仕事ができなかったりといった非常事態が考えられます。また、避難場所の確保、自宅の復旧などにもお金がかかるので、いざというときにすぐに動かせるお金を確保しておく必要があります。

避難生活や休業が長引くことも踏まえ、「家族の生活費×6カ月分」ほどの金額を用意しておくのがよいでしょう。すぐに引き出せる普通預金などで備えておくのがおすすめです。

手元の現金

最近はキャッシュレス決済が一般化したため、現金を持ち歩かない人も増えています。しかし、災害時はATMがストップしたり、決済サービスが使えなかったりすることも。最低でも1週間分の生活ができる現金を手元に用意し、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。

「ちば防災メール」を知っていますか?

千葉県内の防災情報、気象情報をメールで配信する「ちば防災メール」というサービスがあります。災害などの緊急時には、さまざまな情報が飛び交って、何を信じればよいのかわからなくなることもあります。自治体が発信するメールでは、災害が起こったときや警戒すべきときに県内の正確な情報が配信されるため、登録を検討してもよいでしょう。

ちば防災メールは、千葉県が運営する「千葉県防災ポータルサイト」から無料で登録できます。また、各市町村でも同様のサービスを行っていることがあるので、よりピンポイントで地域の情報を知りたい方は調べてみてください。

できるかぎりの備えで、被害を最小限に

災害はいつ起こるかわかりません。普段から安心して過ごすためにも、後回しにせず、できる限りの備えをしておきましょう。ローリングストックなどを活用して、無理なく備蓄しておけるとよいですね。緊急時のお金の備えや取り扱いについて、わからないこと、不安なことがあれば、お近くの金融機関に相談することも可能です。家族が安心・安全に暮らせるよう、地域と自宅の防災について、話し合ってみてくださいね。