【連載】ライフイベント×お金
千葉県のお財布事情
第2回：就職

就職活動、どのくらいお金がかかる？

2024年3月に卒業予定の大学4年生・大学院修士課程2年生に行った調査によれば、就職活動にあたって要した費用の平均額（全国）は8万4241円でした。その内訳は以下のとおりです。

• ※掲載金額は、費用が発生しなかった場合（0円）の回答も含む平均値です。

• リクルートスーツ代：2万9807円
• 交通費：2万7500円
• 宿泊費：5329円
• 備品代（鞄、手帳など）：8717円
• 有料講座受講費（就職塾など）：6834円
• その他諸経費（新聞、書籍、通信費など）：6054円

上記は全国平均値ですが、千葉県を含む関東でみると、就職活動費用の平均額は7万815円です（大学地域別）。関東圏での就職活動は、他の地域に比べて遠方への交通費や宿泊費が安い傾向にあるようです。

就職活動費用は、コロナ禍でオンライン面接が広がったことを機に、交通費・宿泊費などを中心に一時的に大きく減少しました。
情勢の安定に伴って対面での面接が増え、就活費用も増加傾向にありますが、ピーク時には約16〜17万円かかっていたことを考えれば、負担は軽くなっているといえるでしょう。

また、就職活動費用をどのように捻出したかという調査項目では、「親に出してもらった」が51.5％と最も多く、「全額自分で工面した」が42.5％、「親に借りた（返済する）」が6.0％でした。親（保護者）の負担額は平均6万2097円となっています。

就職活動費用は決して安くはない出費です。思うように費用捻出できないために就職先が限られてしまうことがないよう、早いうちから準備しておく必要があります。

出典：

キャリタス就活2024 学生モニター調査（2023年10月）／株式会社ディスコ

就職するときにかかる費用にはどんなものがある？

次に、就職を控えた方が知っておきたい、就職時にかかる可能性のあるお金についてご紹介します。

就職で転居が必要になったときにかかるお金

一般的に、家賃の目安は手取り収入の3分の1程度といわれているため、就職にあたって一人暮らしを始める場合の家賃の相場は5万4000円〜6万2000円ほど。立地にもよりますが、実際にはもう少し高い家賃を払わざるを得ない場合もあるでしょう。

基本的に、家賃は契約した月からかかりますから、給与をもらう前の家賃は貯蓄などから支払うことになります。また、多くの人が就職などを控えた3月は賃貸物件の競争率が高いので、早めに物件を押さえなければならない可能性もあります。さらに、敷金・礼金がそれぞれ1カ月分だとすれば、その分の費用も用意しなければなりません。
そのほか、引っ越し費用、新居の家具・家電の購入費用などを合わせれば、転居にあたって数十万円〜のお金がかかります。いざというときに慌てないよう、事前にまとまった資金を用意しておく必要があるのです。

なお、就職にあたって転居せず、実家などから通う場合もあるでしょう。学生のうちは気にしていなかった生活費を、就職を機に自分で支払うというケースも少なくないようです。転居の必要がない場合でも、ご家族とよく相談し、生活費の支払いを考慮に入れておきましょう。

就職後にかかるお金

仕事に伴う交通費は、基本的には会社から支給されることが多いでしょう。ただし、遠方から通う場合、運賃が高い路線の沿線に住む場合などで交通費が高額になるときは、就職した企業・事業所の交通費支給上限などを確認しておくのがよいでしょう。

また、毎月の食費や水道光熱費、通信費も大きな支出です。総務省の家計調査（2022年）によると、単身世帯の1カ月の消費支出額（平均）は16万1753円です。これは住居費を含んだ全年齢の平均額ですが、大卒初任給の手取り金額の目安が16万3000円〜18万5000円であることを考えると、貯蓄や臨時出費などに備え、ある程度の節約が必要になります。

さらに、就職すると意外と出費が多くなるのが被服費（衣類など）です。毎日スーツを着用するなら数着用意しておく必要がありますし、オフィスカジュアルであればジャケットなどを含めた数パターンの衣服を揃えなければなりません。通勤用の靴も必要ですし、女性であれば身だしなみ程度のアクセサリーなどを購入する方もいるでしょう。仕事が忙しくなると、スーツなどをクリーニングに出す時間がとれないことも考えられます。季節に合わせた仕事用の服を複数用意するには、それなりの出費を覚悟しておいたほうがよいでしょう。

そのほか、社会人になると会食や飲み会などの機会が増えます。完全なプライベートではなく、職場や取引先などが関係する場もあり、断れないこともあるでしょう。1回の飲み会で5000円〜の費用がかかることも珍しくないため、急な出費があっても困らないように備えておく必要があります。

社会人一年目から考えておきたい「資産形成」

千葉県民の就職事情　
〜使える制度、もらえるお金〜

都心へのアクセスがよい便利なエリアでありながら、海や川などの自然に囲まれ、住みやすいのが千葉県の魅力です。海産物や米、野菜、果物なども豊富で、レジャーや観光スポットも盛りだくさん。温暖でのびのびとした環境がテレワークや子育てにぴったりだと、若い世代からも注目されています。

こうした理由から、今、千葉県への移住・就職を考えている人が増えているそう。千葉県での生活や働き方を考えている人に向けて、千葉県の就職にまつわる情報をお届けします。

千葉県の求人情報を探すなら

就職活動を行うときには、各種の新卒求人サイト、転職求人サイト、ハローワークなどで求人検索することになります。自分に合ったサイトや窓口を利用すれば、効率よく就職活動を進められますね。

千葉県で就職したい方におすすめの転職求人サイトが「千葉県地域しごとNAVI」です。千葉県が運営・委託する就職マッチングサイトなので、県内企業の求人情報や暮らしにまつわる情報、地域のセミナー・イベント情報を調べることができます。千葉県で就職した人の声や、ぴったりの仕事を探すためのヒントなども特集されているので、千葉県での就職を考えているならチェックしてみてください。

参考：

千葉県地域しごとNAVI

千葉県に移住して働くなら

東京23区に在住・通勤している人が千葉県に移住・Iターン・Uターンして就職するなら、ぜひ利用したいのが「移住支援事業」です。支給要件を満たせば、該当市町村から移住支援金を受けとることができます。

新たに千葉県に移住する人も、地元に戻る人も、要件を満たしているならぜひ検討してみて。移住支援金を上手に利用して、充実した生活を送りましょう。

千葉県で働く人がもらえるお金

そのほかに、千葉県で就職する人がもらえる可能性があるお金は次のとおりです。

市町村による奨学金返還支援

千葉県内の複数の市町村では、大学などを卒業したあとに地域への居住や就業をした場合に、奨学金の返還を支援する仕組みが設けられています。

たとえば千葉県白井市では、「白井市若い世代定住促進支援金」を交付しています。教育資金の融資や貸与を受けていて、白井市に住所を有し、居住しながら大学等に通っている人が、在学中の事前申請や定住の意思などの要件を満たすことで、就職2年目以降に年間最大8万円、最長5年間の給付を受けられます。

支援制度の内容・条件等は市町村によって異なるため、詳細は各市町村にご確認ください。

雇用保険による失業手当給付（失業時）

勤めていた企業や事業所を自己都合で退職し、雇用保険の被保険者機関が通算12カ月以上（会社都合退職の場合は6カ月以上）ある場合、失業手当を受けとることができます。

就職に必要なお金、きちんと知って考えよう

就職はお金を得て生活を築いていく手段ですが、希望の職種に就き、社会人として歩んでいくためには、それなりの費用が必要なことを忘れてはなりません。いつ、どんな費用が必要になるのかを理解し、家族とも相談して備えておきましょう。また、就職してからも出費はかさむものですから、毎月の収支をきちんと管理し、将来のための資産形成についても考えておくことが大切です。