京葉銀行
2024
10/25

イマドキの金融リテラシー

イマドキの金融リテラシー

資産運用・NISA自己啓発
資産運用・NISA自己啓発

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私たちの生活と切っても切れないお金のこと。時代とともにお金にまつわる常識は移り変わり、必要となる知識も増えています。「昔はこうだった」という常識が、今や非常識となりうる現代。さまざまな形でお金に関わっている私たちが今知っておくべき、最新の「金融リテラシー」を紐解きます。

株式会社Money&You取締役
ファイナンシャル・プランナー 高山 一恵さん

2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務め、退任後はMoney&Youの取締役に就任。月400万PV超の女性向けマネーメディア「Mocha」やチャンネル登録者2万人超の「Money&You TV」を運営し、講演・執筆・相談業務に従事。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など著書多数。

金融リテラシーとは、「経済的に自立し、より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力」のこと。これは、お金に関わって生活しているすべての人に必要とされる力です。お金にまつわる知識や判断力を身につけ、活用できる能力があらゆる人に求められています。

金融庁では、「家計管理」「生活設計」「金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル」「外部の知見の適切な活用」の4分野を最低限身につけるべきお金の知識として示しています。私たちの生活に直結する「お金」について、この4分野を参考にしながら「お金を使う」「お金を借りる」「資産をつくる」という3つの観点から解説していきます。

参考:

政府広報オンライン「金融リテラシー」って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力

お金の使い方を考えるときに不可欠なのは、使えるお金がどれくらいあるのかを正確に把握し、何にどのくらいの予算を割けるのかという計画を立てること(家計管理)です。昨今の物価高で食費や日用品費、光熱費などの必要経費全般が高騰する今、これまで以上にきちんと家計を管理することが重要になってきています。

まずは何にいくら使っているかという費目を洗い出し、毎月の収入と照らし合わせて把握しましょう。「食費」「日用品費」「嗜好品費」「光熱費」「通信費」「服飾費」「交際費」など、支出を項目立てしてそれぞれに使ってよい予算を決め、それを守るのが基本のやり方です。ただし、項目が多くなりすぎると計算が億劫になり、結局うやむやになってしまうという悩みも。そんな人は、「近所のスーパー」「◯◯ショッピングモール」「コンビニ」など、普段利用している店舗ごとに予算を決めましょう。お店ごとに計算すればよいのでレシートの確認も簡単ですし、費目を分けにくい出費があっても悩まずに済みますよ。

また、帰省や旅行、冠婚葬祭といった「臨時費用」を計画に入れておくのを忘れずに。先に年間で必要になるお金を計算しておいて、それを差し引いた金額を12カ月に振り分けたうえで月々の予算を組むのがよいでしょう。

ライフプランニングは予想できる範囲からでOK

毎月の生活費について考えたら、次は長い目で見たライフプランニング(生活設計)の視点です。ここで言うライフプランニングとは、就職・転職、結婚、出産、介護や老後といった人生の各ステージで必要となるお金を見据え、収支計画を立てておくこと。とはいえ、情勢がめまぐるしく変わり、昔と比べてさまざまな生き方が許容される今の時代では、20年、30年先の自分を具体的に予想するのは難しいかもしれません。

そこで、最初はこれからの5年で何をするかを考えます。結婚や出産といった大きなイベントだけでなく、資格取得や旅行などの目標も盛り込んでください。そうすると「この時期までにいくら必要か」といった貯蓄の目安が明確になり、お金のプランも立てやすくなります。

かつては「幸せな人生」のモデルがある程度固まっており、何歳までに何をするという計画が立てやすかったのですが、多様な人生が選べる今は幸せの形がそれぞれ違います。誰かのモデルケースに当てはめるのではなく、自分のライフプランを立て、それを定期的に点検しましょう。年に1回ライフプランをチェックし、変更点があれば更新したり、順調であることを確認したりすることで、漠然とした夢を数値化して準備することができるのです。

イマドキのお金の使い方にも注意

電子マネーやQRコード決済など、キャッシュレス決済の方法が多様化しています。財布などの荷物が少なく済んで便利な反面、「お金を使っている」という感覚が薄れてしまう人も多いよう。特に、ポイント増量などのキャンペーンに惹かれて複数の決済サービスを併用している人、自動チャージ機能を使っている人は要注意。どこにいくらチャージしたかがあいまいになったり、せっかくのポイントが分散して使いにくくなったりして、結果的に損をすることにもなりかねません。

さらに、サブスクリプションやアプリへの課金、デリバリーサービスなど、今の時代ならではのお金の使い方にも注意しましょう。「使い放題」「見放題」などと言われるとついお得な気がしますが、実際の使用頻度を照らし合わせると、都度払いのほうが安いケースも多いのです。こうした出費もきちんと予算を決めて楽しみたいですね。

ワンポイントアドバイス

いざというときのお金も忘れずに確保して

近年増加する災害によるトラブルや、病気・ケガなどで働けなくなった場合なども想定し、自分で準備しておかなければならない時代。終身雇用が一般的だったかつてとは違い、突然の離職リスクや転職による収入減なども考えられます。いざというときに慌てないための「生活防衛資金」の目安は生活費6カ月分ほど。そのぶんは貯金で確保し、さらに病気や災害などのもしもの事態を見据えて保険に加入するなど、万が一に備えておきましょう。

「借金」はよくないことだと思う人もいるかもしれません。しかし、将来の投資となるような借金なら、決して悪いことではないのです。住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなど、ライフイベントに伴って「今お金を使うこと」に意味があるような出費を賄うローンの活用も借金に含まれます。大切なのは、借金について正しく理解し、きちんと返済計画を立てることです。

近年では、アプリ1つで融資が完結する手軽なサービスも登場しています。ただし手軽な反面、つい借りすぎてしまったり、条件をよく読まずに利用してしまったりといったリスクも。お金を借りる場合、一般的には金利に基づいて利息がかかります。最終的な支払総額をよく理解し、無理のない返済計画を立てて利用してください。どんな金融商品が合っているのかわからない場合は、近隣の銀行などに相談してもよいですね。

クレジットカードのリボ払い、ちょっと待った!

先にお金をチャージしておく電子マネーや、銀行口座から即時にお金が引き落とされるデビットカードとは違い、クレジットカードは信用による後払いですから、一時的にお金を借りているのと同じ。一括払いや2回払いでは金利手数料がかからない場合がほとんどですが、それ以上の分割払い、リボ払いなどでは金利手数料が発生し、これが利息の役割を持ちます。

特に注意したいのがリボ払い。リボ払いとは、クレジットカードで利用した金額を毎月定額ずつ返済していく仕組みです。どんなに高い買い物をしても毎月の支払額が変わらないので、手取り金額が少ない若い世代などはつい使いたくなってしまいますが、ちょっと待ってください。リボ払いの金利手数料は年に15%ほどで、これはかなり高い数字です。月々の支払い上限額にもよりますが、リボ払いは払い終わるまでに長い期間を要し、その間はずっと金利手数料を払い続けることになります。最初の買い物の金額を払い終える前に、次の買い物が積み重なっていったら……? こうしたリボ払いによって数百万円の借金をしてしまう人も少なくないそう。利息や支払い方法についての知識を持ち、自分が支払うお金を常に把握しておいてくださいね。

ワンポイントアドバイス

脱毛や美容医療、安易にローンを組まないで

成人年齢が18歳に引き下げられ、より若いうちから自分の判断でローン契約などができるようになりました。経験や知識が少ない若者に対し、不利なローンやクレジットカードの契約を迫るケースがあるようです。特に脱毛や美容医療といったジャンルでのトラブルが多発しています。

「こんなにお得な契約ができるのは今だけ」、「絶対にきれいになれる」、「みんなやっているよ」などの言葉に信憑性はありません。ローンを組む場合は金利手数料や返済方法をよく検討のうえ、おかしいと思ったらすぐにその場から離れ、信頼できる大人に相談してください。

物価が上がり、相対的にお金の価値が下がることが懸念される今、貯蓄をしているだけでは資産が目減りしてしまいます。「貯蓄から投資へ」「依存から自立へ」といわれるように、投資も視野に入れた資産形成を自ら行うべき時代になりました。「老後資金は夫婦であと2000万円必要になる」と試算されて久しいですが、セカンドライフを好きなように楽しみたいなら、今のうちから資産を形成しておかなければならないのです。

初心者におすすめなのは、少額ではじめられる投資信託です。

2024年から始まった新NISA制度を活用することで、非課税で運用できるため、大学生などの若い世代も投資に目を向けるきっかけになっています。どうしても元本割れが怖いなら、よりリスクが低めな個人向け国債、徐々に金利が上昇している定期預金などを検討してもよいでしょう。「損するのが怖いし、何からはじめたらいいのかわからない」と迷っているよりは、納得できるリスクの範囲で無理なくはじめてみるほうが、将来に向けた視野が開けますよ。

投資用の口座、どこで開設したらいいの?

投資信託などの資産運用をはじめるなら、まずは口座開設が必要です。利便性をとるなら、インターネットで完結できるネット証券などもよいでしょう。一方で「投資のことはよくわからない」、「何かあったら相談したい」という方は、身近な銀行で口座開設するのもおすすめ。最近ではインターネットバンキングを備えている銀行も多いので、「普段の取引はネットで、相談は窓口で」という使い方ができる場合もあります。

SNSを通じた「うまい話」に気をつけて

今も昔も、お金にまつわる詐欺はなくなることがありません。かつては対面で言葉巧みに信用させる「デート商法」などで高額な商品を売りつけたり、お金をだまし取られたりするケースがありましたが、現代ではSNSなどを通じた投資詐欺が問題になっています。

身近なSNSを通じて関係性をつくり、信用したころに「絶対にもうかる暗号資産(仮想通貨)がある」などと誘ってくるそうですが、投資に「絶対」はありません。現代社会が慢性的に抱える将来への不安や寂しさにつけ込む手口に引っかからないよう、日頃から知識を身につけておきましょう。

ワンポイントアドバイス

目先の値動きに一喜一憂せず、「長期・積立・分散」の意識で

最近の大幅な株価変動で、NISAなどで投資をはじめたばかりの方は不安を感じたかもしれません。ただし、投資は「長期・積立・分散」が基本です。株価は常に変動するものですから、一時的な値動きに一喜一憂せず、「株価が下がったときはそのぶん安く購入できる」くらいの気持ちで大丈夫。逆に少し儲けが出たときには、一部を売って旅行などに使いながら、のんびり資産を形成してもいいのです。将来を見据え、長期的な視点で資産運用に取り組んでみてくださいね。

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