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2024
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「長期投資」が投資の基本!
初心者が知っておきたい
メリットと“複利効果”

資産運用・NISA
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ホーム「長期投資」が投資の基本!初心者が知っておきたいメリットと“複利効果”

投資について学び始めたばかりの方でも「長期投資が基本」という話を一度は聞いたことがあるかもしれません。なぜ長期投資をすすめる人が多いのでしょうか。「そもそも長期投資とはどんなもの?」、「長期投資にはどんなメリットがあるの?」、「複利効果ってなんのこと?」……投資を始めるうえで知っておきたい長期投資について、詳しく解説します。

そもそも「長期投資」とは、どのような投資のことを指すのか、整理しておきましょう。

長期投資の期間はどれくらい?

「長期投資」は、一般に数年~数十年程度の期間で投資を行うことを指します。ただし、「○年以上が長期投資」といった明確な定義はありません。

投資のセオリーとして、「投資期間が長ければ長いほどお金を増やしやすい」という傾向があります。長期投資が投資の基本と言われているのはこのためです。できるだけ早く投資をはじめることで、投資期間を長くとることができます。

短期投資との違いは?

長期投資が数年〜数十年かかるのに対し、1日のうちに取引が完結するデイトレードや、数日から数週間で取引するスイングトレードなどは「短期投資」と呼ばれます。

投資で利益を出す主な方法は、「安く買って高く売る」ことです。短期投資では、統計の結果発表や有力者の発言などで発生する一時的な値動きに乗じて投資し、利益を得ようとします。そのため、デイトレーダーの中には、1分1秒の値動きを争って常にモニターをチェックするような投資手法を取っている人もいます。

一方で長期投資は、一時的な値動きにとらわれず、投資先企業の将来的な成長を見込んで投資を行います。利益を出そうとするタイミングや考え方の点で、短期投資とは性質が異なるのです。

初心者に向いているのは「長期投資」

短期投資は、まだ専門知識やテクニカルな分析経験があまりなく、常に値動きを追い続けることが難しい投資初心者にはハードルが高いものです。また、継続的に利益を上げるためには値動きの予測を当て続ける必要があり、初心者は精神的にも消耗してしまいがちです。

一方の長期投資は、初心者でも比較的取り組みやすい「投資の基本」です。もちろん長期投資ならではの難しさやデメリットもありますが、それでも長期投資にはさまざまなメリットが存在します。

では、長期投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的な4つのメリットについて解説していきましょう。

メリット1:複利効果を活かせる

長期投資の最も大きなメリットとして挙げられるのが、「複利効果」を活かせることです。

複利とは「元金だけでなく、その利子にも利子がつく状態」のことです。複利の効果は「雪だるま式」とも「人類最大の発明」とも言われ、お金を増やす力が非常に強いのです。重要なポイントなので、後ほど詳しく解説します。

メリット2:日々の値動きに一喜一憂せずに済む

長期投資の場合、数年、数十年と先を見据えた投資をしていきます。投資先の価格は日々変動していき、上がるときも下がるときもありますが、長い目で見れば1日あたりの値動きはわずかなものです。

短期投資のように、その値動きをずっと追いかけて一喜一憂することがなく、一瞬のタイミングを狙う必要もないため、毎日忙しくしている方でも取り組みやすく、どっしり構えていられる安心感があります。

メリット3:売買コストを抑えやすい

投資に挑戦する際、忘れてはならないのが売買コストです。運用で資産がどれくらい増えるのかと同様に気にしておきたいのが、「手数料などのコストがどれくらいかかるか」です。

たとえば株式投資では、株式の購入時や売却時に手数料がかかります。具体的な金額は証券会社や料金プランによって違いますが、短期間に何度も売買を繰り返すより、一度買ったものを長期間保有してから売却する方が、取引回数が少ないぶん、手数料を抑えやすい傾向があります。手数料を抑えれば、それだけ手元に残るお金は増えることになります。

メリット4:積立投資との相性がよい

長期投資と同じように、「初心者の投資の基本」としてよく語られるのが「積立投資」です。これは、1つの投資先に一定の期間ごとに一定の金額ずつコツコツと投資していくという方法です。

積立投資は、一度設定しておけば、自動的に「安いときはたくさん買って、高いときは少しだけ」という買い方ができるので、いちいち投資のタイミングを考えなくても高値づかみのリスクを抑えられるうえ、相場に振り回されにくくなります。

「毎回少しずつ積み重ねていく」という積立投資の特性上、長い期間をかけて投資をしていくことで効果が十分に発揮されます。積立投資を選ぶ方にとっても、長期投資は有効だといえます。

ここまで長期投資のメリットを見てきましたが、デメリットも少なからず存在します。長期投資も常に万能で効果的というわけではないことを知っておきましょう。

デメリット1:利益が確定するまで時間がかかる

長期投資は結果が出るのを気長に待つ必要があります。値動きの様子は日々チェックできますが、あくまで最終的な利益が確定するのは、数年、数十年経ってその投資を終了(投資商品を売却)したときです。

短期売買のように頻繁に利益が確定して積み重なっていくわけではないので、人によってはやきもきしてしまうかもしれません。

デメリット2:「長期投資=失敗しない」ではない

長期投資をしたからといって必ずしも成功するとは限りません。数十年先となるとプロでも予測しにくいため、元本割れ(投入した金額より受け取れる金額の方が少ない状態)の可能性はゼロではないのです。

長期投資で失敗すると、それまで費やした時間とお金をロスすることになります。「長期投資だから安心」と思い込むのではなく、積立投資や分散投資も並行して実践しておく、投資先を慎重に選び、定期的に状況をチェックするなど、一定の努力は必要でしょう。

長期投資を知るうえで欠かせないのが「複利」を理解することです。

複利は、いわば「利子がさらなる利子を呼んでくる状態」です。上昇トレンドが続いている時に、運用で得た利益をさらなる運用に回していけば、どんどんお金が増えていきます。期間が長期になるほどその効果は高まります。

最初はごく小さくても、転がせば転がすほど大きくなっていくことから「雪だるま式に増える」と表現されることもあります。

ちなみに、複利の反対語は「単利」で、「もともとの投資元本に対してだけ利子がつく状態」のことです。もし金利が同じでも、上昇トレンドにおいて、単利は複利よりお金が増えにくく、利益も大きくなりません。

シミュレーション結果に見る複利効果

「雪だるま式」とは具体的にどの程度なのか、以下のグラフで複利効果によるお金の増え方を確認してみましょう。

金融庁の資産運用シミュレーションをもとに作成

  • 手数料や税金は考慮しない。

運用しない(運用利回り:年0%)場合、お金の増え方は一直線です。しかし、複利で運用した場合は、投資期間が長くなればなるほど傾きが強く(=お金の増加ペースが高く)なっていきます。

つまり、同じ運用利回りで同じ金額を10年間運用していても、「0~10年後」よりも「10~20年後」、「10~20年後」よりも「20~30年後」の方が、お金が増えやすくなるということです。

長期投資が投資の基本と言われる理由、そして複利効果について解説してきました。もちろん長期投資をしたからといって必ず成功するとは限りませんが、特に初心者の方は投資方針や戦略を考えるときに役立つ知識となるでしょう。

焦らず少しずつ知識を付けながら、長い目で見て投資に取り組み、将来に備えましょう。