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おいしいNo.1は千葉が誇る財産!
千葉の「食」日本一・世界一
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ホームおいしいNo.1は千葉が誇る財産! 千葉の「食」日本一・世界一
三方を海に囲まれ、平野が多く自然豊かな千葉県には、農産物、海産物をはじめとする「食にまつわるNo.1」が盛りだくさん。日本一、そして世界一に輝く味覚とその歴史は、千葉県の誇るべき財産であり、育てていきたい資産です。明日、誰かに自慢したくなる、千葉県の魅力的なNo.1をご紹介します。
- ※文中の画像はイメージです。
日本なしの収穫量

千葉県は言わずと知れた「日本なし」の名産地。2024年の収穫量は2万1400トンで第1位、これは全国の12%にあたり、栽培面積・産出額においても日本一を誇っています。太陽をたっぷり浴びて甘くなる果実にとって千葉県の温暖な気候は理想的で、開花のタイミングが早まるために収穫時期も早め。さらに、栄養を保ちながらも排水性が高い火山灰土壌が多いこと、大きな消費地である東京へのアクセスがよく、収穫したばかりのおいしい梨を届けやすいことなど、千葉県には日本一の梨産地となる要素が揃っています。
千葉県の梨栽培は、江戸時代に遡ります。現在の市川市八幡地区に適した作物を模索する過程で、岐阜県(当時:美濃国)で栽培されていた梨の存在を知り、持ち帰って栽培技術を広めたといわれています。当時の江戸に運ばれた梨の品質のよさが評判となり、江戸末期には千葉県が関東最大の梨の産地になったとか。長い歴史のなかで蓄積されてきた技術により、おいしい梨を継続的に出荷できるのです。
また、梨の品種として有名な「二十世紀」は千葉県松戸市が発祥です。1888年に松戸市在住の少年が裏庭のゴミ捨て場に生えていた梨の木を偶然発見。移植して10年目に実った梨の味が非常によかったことから、農学者たちによって「二十世紀」の名が付けられました。こうした歴史を見ても、千葉県と梨は切っても切れない関係だといえますね。
落花生の収穫量

落花生もまた、千葉県が誇る名産品。2023年の千葉県の落花生の作付面積は4,680ha、収穫量は1万3400トンです。現在、日本国内で出回っている落花生は約9割が外国産ですが、貴重な国内産落花生の約8割が千葉県で生産されています。
落花生は、南米原産のマメ科植物です。千葉県における落花生の栽培の歴史は、明治9年に現在の山武市(当時、山武郡南郷町)の農家が、神奈川県内の村から種を購入して試作したことから始まったとされています。
その後、明治10年に当時の知事職が落花生の種を鹿児島から取り寄せ、栽培を奨励。当時、干潟付近(現在の旭市周辺)はやせた砂地で畑作に難儀していましたが、落花生栽培・販売に力を入れたことで、旭市を中心に栽培が進みました。しかし大正に入り、気候や需要などの影響で次第に旭市の生産量は縮小し、反対に八街市周辺で栽培面積が拡大します。
さらに昭和に入ると、農業試験場での品種改良が積極的に行われるようになりました。戦時下で落花生栽培が禁止されるという憂き目に合いますが、戦後は栄養価の高い落花生の価格が高騰。高まる需要とともに、より多収で育てやすい品種が作られ、落花生栽培は県全域に広がっていったのです。
全国的には炒った落花生が広く食べられていますが、千葉県民には「茹で落花生」が大人気。「千葉半立」、「おおまさり」、「Qなっつ」など、千葉県独自の品種を食べ比べるのも贅沢ですね。
金目鯛の漁獲量

金目鯛といえば静岡県のイメージがあるかもしれませんが、実は千葉県も日本有数の漁獲地。千葉県では、銚子沖漁場、勝浦沖漁場、東京湾口漁場(布良瀬漁場)の3ヶ所で漁獲されています。「銚子つりきんめ」、「外房つりきんめ鯛」などのブランド魚としても人気を集める高級魚です。
千葉県の金目鯛は2022年に漁獲量全国1位の座を獲得しましたが、その背景には、水産資源をむやみに獲りすぎず、育てながら漁獲する「資源管理型漁業」の推進があります。金目鯛はもちろん、真鯛や伊勢海老などの7つの海産物について漁業者自らがルールを設け、休漁期間を設ける、規定以下のサイズの幼魚を放流するといった計画に基づいて自主管理しているのです。漁獲量No.1は、海とともに生きる千葉県の漁業者が、知恵と努力を結集して挑んだ結果だといえるでしょう。
意識せずに食べている人もいるかもしれませんが、金目鯛は水深200~800mに生息する深海魚。鮮やかな赤い体と大きな金色の目が特徴の金目鯛は、華やかな見た目と深い味わいからお祝いの席に用いられることも多い魚です。お刺身、煮付け、アクアパッツァなど、さまざまな料理で味わいたいものです。
マッシュルームの収穫量

意外と知られていない千葉県のNo.1、マッシュルーム。県内の旭市や香取市で栽培されており、2022年の収穫量は3,270トンと、全国の収穫量のうち4割ほどにも上ります。作付面積は18万6300m2で、2位の茨城県(9,460m2)に大差をつけています。
世界的にはメジャーなキノコですが、日本では食卓に上る機会が少ないかもしれません。原産地はヨーロッパで、日本では明治時代に人工栽培が始まりました。フランス語で「シャンピニオン」と呼ばれ、フレンチの定番食材にもなっています。マッシュルームは1年を通じて出回っており、バター炒めやシチュー、ハンバーグの付け合わせといった洋食のほか、アヒージョやホイル焼き、おひたし、肉詰め、きんぴら、新鮮なものなら生のままサラダの具材として使うなど、どんな料理にも合わせられるので、ぜひ取り入れてみて。
一般的にマッシュルームの傘の大きさは直径4cmほどですが、千葉県では直径10cmを超える「ジャンボマッシュルーム」も出回っているとか。一説には、収穫し忘れたマッシュルームが偶然大きく育ったことから栽培が始められたともいわれています。大きさを生かしてそのままステーキにしたり、傘の内側に具材を詰めて揚げたりと、調理法はさまざま。「出会えたらラッキー」という気持ちで、地域の道の駅などで探してみてください。
世界一の手焼きせんべい

千葉県には、日本のみならず、世界一に認定されたNo.1のせんべいがあります。2018年に印西市でギネス世界記録として認められた巨大せんべい(Largest rice cracker)は2.60m2、重さは21.4kgという驚くべき大きさ。白米25kg、水16リットル、醤油2リットルを使用し、巨大な焼き上げ網を用いて1時間以上にわたって焼き上げられたそうです。
印西市では古くから手焼きせんべいが作られており、市の名産となっています。JR成田線「木下(きおろし)」駅周辺にせんべい専門店が複数あり、なかには明治初期に創業した老舗店舗も。地元産のコシヒカリを使用している店舗もあり、それぞれの個性が光る製法と昔ながらのおいしさで人気を集めているそうです。利根川沿いを散歩しながら、お店を巡って食べ比べてみるのも楽しいですね。
「キウイフルーツ・ワインの消費量No.1」という調査も!
総務省が集計している家計調査の直近のランキングをみると、千葉市のキウイフルーツ消費量(数量)は全国1位。全国平均では1世帯あたり年間2,261gのところ、千葉市民の消費量は1世帯あたり年間3,231gとなっています。果物全体でも、千葉市の1世帯あたり年間消費金額は4万9751円で、山形市(5万4312円)に次いで第2位です。収穫量も豊富な千葉県では、果物を多く食べる習慣が根付いているのかもしれません。
また、千葉市はワイン消費量でも全国1位を獲得していて、千葉市の1世帯あたりの平均消費量は7,057mlと、全国平均の3,318mlの倍以上。ただし、酒類全体でみれば年間の消費金額はさほど多くなく、平均4万4301円で第27位なので「大酒飲み県民」というわけではなさそう。フルーツを食べながらワインをたしなむ、千葉県民のおしゃれな一面が垣間見えますね。
- 出典:
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総務省「家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング
(2022年(令和4年)~2024年(令和6年)平均)」- ※調査は「千葉市」を対象にしたもの
千葉県の魅力は無限大。地域のNo.1をもっと探してみよう
ご紹介してきたように、千葉県には全国No.1を誇る魅力的な「食」がたくさんあります。その背景には、脈々と受け継がれてきた地域の人々の努力と試行錯誤の歴史がありました。地域の魅力を再確認し、より深く学んでみれば、今まで当たり前のように食べていたものがちょっと違って見えてくるかもしれません。本記事で紹介しきれなかった千葉県のNo.1も、ぜひ探してみてくださいね。