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老後資金の新しい選択肢?
「リバースモーゲージ」の
仕組みと上手な活用法
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ホーム老後資金の新しい選択肢?「リバースモーゲージ」の仕組みと上手な活用法
老後資金への不安が高まるなか、自宅を活用して将来の暮らしを支えることができる「リバースモーゲージ」が老後資金の新しい選択肢として見直されています。この制度は、住み慣れた家に暮らし続けながら資金を確保できる一方、相続や金利変動など注意すべき点もあります。本記事では、リバースモーゲージの仕組みやメリット・デメリット、向いている人の特徴、利用前に確認したいポイントまで、専門家の視点でわかりやすく解説します。
- リバースモーゲージとは?老後資金に「持ち家」を活かす新しい選択肢
- リバースモーゲージでできること
- 【ケース別】リバースモーゲージが向いている人は?
- リバースモーゲージを利用する前に確認しておきたいポイント
- 家を活用した老後の資産対策との違いは?
- 大切なのは「老後の暮らし」から考えること
株式会社Money&You取締役、ファイナンシャル・プランナー 中央大学客員講師
高山 一恵さん
2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。その後現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社) 、『50代から考えるお金の減らし方』(成美堂出版)など書籍110冊、累計200万部超。1級FP技能士。住宅ローンアドバイザー。
リバースモーゲージとは?老後資金に「持ち家」を活かす新しい選択肢
リバースモーゲージとは、高齢者が自宅(持ち家)を担保として、銀行をはじめとした金融機関や住宅金融支援機構、一部自治体などから資金を借り入れる制度です。老後資金の確保を目的として利用されることが多く、「自宅に住み続けながら資金を得られる」点が大きな特徴です。
通常の住宅ローンは、住宅購入時に借り入れを行い、毎月元本と利息を返済していきます。一方、リバースモーゲージでは、すでに所有している自宅を活用して資金を調達し、契約者の死亡後に元本を返済する仕組みが一般的です。生前は利息のみを支払うケースが多く、月々の返済負担を抑えやすいという特徴があります。
契約者死亡後の元本返済方法は、主に次の2つです。
- 担保となっている自宅を売却して返済する
- 相続人が現金で一括返済する
「ノンリコース型」と「リコース型」の違い
契約時に必ず確認したいのが、「ノンリコース型」と「リコース型」の違いです。ノンリコース型は、自宅売却後に借入残高が残っても、相続人が不足分を負担する必要がありません(ただし、生前の利息返済が滞った場合などはその限りではないため注意が必要です)。一方、リコース型は、自宅売却後に借入残高が残った場合、相続人に返済義務が生じることがあります。
リバースモーゲージは老後資金対策として有効な制度ですが、相続や家族への影響も大きいため、契約内容を十分に理解した上で利用することが大切です。
リバースモーゲージでできること
リバースモーゲージの最大のメリットは、自宅を手放さずに老後資金を確保できることです。高齢になると新たなローンを組みにくくなりますが、持ち家という資産を活用できる点は大きな強みといえるでしょう。
主な資金使途としては、以下のようなものがあります。
- 日常生活費の補填
- 医療費・介護費の支払い
- 自宅の修繕やバリアフリーリフォーム
- 住宅ローンからの借り換え
- 子どもへの資金援助や教育費
借り入れ方法の種類
借り入れ方法には、「一括型」と「極度額型(限度額内で必要な分だけ借りる方式)」があります。
一括型は、契約時にまとまった資金を受け取る方法です。一方、極度額型は、設定された限度額の範囲内で必要なときに必要な分だけ借り入れる仕組みで、例えば「リフォーム費用として300万円だけ利用する」といった使い方ができます。利用額が少ない分、利息負担を抑えやすい点もメリットです。
ただし、利用条件は金融機関によって大きく異なります。例えば、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する「リ・バース60」のように全国一律に近い基準のものもあれば、民間の独自商品のように対象年齢、対象エリア、不動産の種類、築年数、金利などが商品ごとに違うものもあります。複数の商品を比較しながら慎重に選ぶ必要があります。
【ケース別】リバースモーゲージが向いている人は?
リバースモーゲージに向いている人
持ち家を活用しながら住み続けたい人
「住み慣れた家を離れたくない」と考える高齢者は少なくありません。長年暮らした地域には、近隣との人間関係や生活基盤があり、年齢を重ねるほど住み替えへの負担は大きくなります。
リバースモーゲージを活用すれば、自宅に住み続けながら資金を確保できるため、生活環境を変えずに老後資金を準備できます。また、子どもがいない方や、「自宅を相続財産として残すことに強いこだわりがない」という方にとっても利用しやすい制度です。
老後の収入に不安がある人
年金だけでは生活費や医療費に不安がある場合、自宅という資産を活用して資金を手元に残すための選択肢を増やせます。高齢になると通常のローン審査が厳しくなりますが、持ち家があればそれを原資にできるため、現在残っている住宅ローンをリバースモーゲージに借り換えて月々の負担を減らす、といった活用も可能です。
リバースモーゲージに向いていない人
自宅を家族に相続したい人
契約終了後に自宅を売却して返済するケースが一般的であるため、「家を子どもに相続させたい」という希望が強い場合には向いていません。
将来的に住み替えを考えている人
将来的に施設入居や子どもと同居するための引越しなど、自宅を離れる可能性がある人も注意が必要です。商品によっては、長期間自宅を離れると契約終了となるケースがあります。
金利変動や不動産価格の下落に不安がある人
多くの商品は変動金利型です。金利が上昇すると利息負担が増える可能性があります。
リバースモーゲージを利用する前に確認しておきたいポイント
リバースモーゲージは商品によって条件が大きく異なるため、検討段階からの確認が欠かせません。特に次のポイントは必ずチェックしておきましょう。
年齢条件
多くの金融機関では60歳以上が対象ですが、50代から利用できる商品もあります。
対象不動産の条件
主な対象は戸建てやマンションですが、マンションは資産価値の目減りが早いため審査が厳しい傾向にあります。また、対象不動産のエリアが首都圏や主要都市に限定されているケースも少なくありません。
借入限度額の決まり方
借入限度額は、不動産評価額の一定割合を上限として設定されます。一般的には評価額の5~6割程度が目安です。
金利のタイプ
多くの商品は変動金利型です。将来的に金利が上昇した場合、毎月の利息支払額が増えるリスクがあります。また、数年ごとに不動産の再評価が行われるため、地価が暴落すると借入限度額が引き下げられ、生前に一括返済を求められる担保割れリスクが生じる場合もあります。
配偶者・相続人への影響
主契約者が死亡した際、同居している配偶者がそのまま家に住み続けられるか(契約を引き継げるか)は商品によって異なります。事前に対策をしておかないと、残された配偶者が家を失うトラブルになりかねません。
リバースモーゲージは便利な制度ですが、契約内容が複雑な商品も少なくありません。検討する際は配偶者や家族と話し合い、必要に応じて銀行などの金融機関へ相談しながら検討すると安心です。
家を活用した老後の資産対策との違いは?
老後資金を確保する方法としては、リバースモーゲージ以外に「自宅売却」や「リースバック」もあります。それぞれ特徴が異なるため、ライフプランに合わせて比較することが大切です。
自宅売却
最もシンプルなのが自宅売却です。まとまった資金を一度に得られる点がメリットですが、売却後はその家に住み続けることができません。新しい住居を確保する必要があり、引っ越しに伴う負担も発生します。
リースバック
リースバックは、自宅を売却した後、賃貸契約を結んで同じ家に住み続ける仕組みです。「引っ越しせずに資金を確保できる」という点では、リバースモーゲージと似ています。ただし、所有権は不動産会社へ移転するため、毎月の家賃が発生します。また、将来的に買い戻す場合には追加費用が必要になるケースもあります。
住まいの「出口戦略」を考えるきっかけに
リバースモーゲージを検討することは、「将来、自宅をどうするか」を考えるきっかけにもなります。自宅を子どもや家族に相続財産として残すのか、それとも自分たちの代で整理し、老後の生活資金として活用するのか。この選択は、単なる資産運用の問題ではなく、家族との関係性やライフスタイルにも深く関わるテーマです。
大切なのは、こうした方針を曖昧なままにしないこと。自宅の将来について家族と率直に話し合い、自分たちなりの考えを共有しておくことで、将来的なトラブルや後悔を防ぎやすくなります。
リバースモーゲージは、あくまで選択肢のひとつに過ぎません。しかし、この制度をきっかけに「住まいの終活」や老後の暮らし方について考え始めることには、大きな意義があるといえるでしょう。
大切なのは「老後の暮らし」から考えること
リバースモーゲージは、自宅という資産を活用して老後の安心を得るための有効な手段です。ただし、金利や不動産価格の変動リスク、相続人への影響など、複雑な側面も持ち合わせています。場合によっては、無理に借り入れをせず、預貯金を計画的に取り崩したほうが有利なケースもあるでしょう。
大切なのは、「いくら借りられるか」だけではなく、「これからどのように暮らしたいか」という視点で制度を選ぶこと。自身のライフプランに合った方法を選ぶことが、後悔のない老後資金対策につながるでしょう。
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