京葉銀行
2022
10/25

インターナショナルスクールに通わせたい!
学費はいくらかかるの?

インターナショナルスクールに
通わせたい!
学費はいくらかかるの?

ローン教育
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ホームインターナショナルスクールに通わせたい! 学費はいくらかかるの?

「子どもにより良い教育を受けさせたい」というのは、親なら当然の望みではないでしょうか。近年は、国際感覚豊かに育つ教育環境として「インターナショナルスクール」への進学を目指す親子が増えています。
この記事では、日本人が日本のインターナショナルスクールに入学するケースを想定して解説します。インターナショナルスクールの特徴、メリット、注意しておきたい点、そして必要な学費の目安まで、気になるポイントについて詳しく説明します。

インターナショナルスクールとは、どんな学校なのか、簡単に整理しておきましょう。

インターナショナルスクールとは

「インターナショナルスクール」に法令上の規定はありません。一般的には、主に英語により授業が行われる、日本に住んでいる外国籍の子どもたちを対象にした学校を指す言葉です。「親の仕事の都合で日本に来たばかり」といった理由で、まだ日本語が話せない状態の子どもたちでも問題なく学べるよう、授業がすべて英語などの外国語で行われる学校として誕生しました。

しかし、近年では「授業がすべて英語」「いろいろな国の子どもと仲良くなれる」といった点に注目が集まり、「日本人だけど通いたい」「通わせたい」という人が増えてきました。それにともなって、外国籍の子どもだけでなく、日本人の子どもが入学できるインターナショナルスクールが増加しています。

インターナショナルスクールは、おもに小学校1年生~高校3年生に当たる子どもたちが通う学校です。通える子どもの年齢は学校ごとに違うので、入学案内や公式サイトなどで確認しておくことをおすすめします。
幼稚園児や保育園児に当たる子どもたちが通うところは「インターナショナルプリスクール」と呼ばれています。

インターナショナルスクールの特徴

インターナショナルスクールの最大の特徴は、先述のとおり「すべての授業が英語をはじめとした外国語で行われる」ことでしょう。通うスクールにもよりますが、多国籍の子どもたちと交流できたり、海外式のディベートを重視した授業が行われていたりすることがあります。
そのため、「将来グローバルに活躍できる大人になってほしい」とか「異文化に触れさせることで子どもの視野を広げたい」と考える日本人のご両親から支持を集めています。

インターナショナルスクールの入学条件

インターナショナルスクールでは、たとえば以下のように「入学できる子どもの条件」を定めていることがあります。

  • 国籍
    日本人をあまり受け入れていないところもあれば、ほぼ日本人ばかりというところもあります。
  • 英語力
    子どもが、授業についていけるよう、その学校へ通うために必要なレベルの英語力を持っていることが前提です。なかには、学校からの連絡ややりとりをスムーズにするため、親の英語力もあわせて求めるところもあるようです。

インターナショナルスクールに通うメリットとして、以下のようなものがあります。

語学力が身に付く

授業がすべて英語(外国語)なので、当然ですが通い続けて学び続けることで、子どもの英語力が向上します。多国籍な学校なら、友達と遊ぶときも英語などを使うかもしれません。

英会話教室で学ぶような「日常英会話」だけでなく、勉強やその先の仕事、海外での暮らしにも生かせる「生の英語」が学べるメリットが期待できます。

国際感覚が養われる

インターナショナルスクールでは、多国籍の子どもたちと同じ授業を受けたり、チームを組んでディベートやプレゼンなどに自ら発信するような機会を持てたりすることも。それらを通して、自然と多様性や異文化を理解でき、国際感覚を養っていくことができるでしょう。

子どものころから、こうした環境で過ごした経験は、将来、海外進学や外資系企業への就職をすることになったときなど、役立つはずです。

教育方針で学校を選べる

インターナショナルスクールのなかには、独自の教育方針に基づいて運営されている学校が多くあります。

子どもの個性を尊重してのびのびと育てることを目指すところ、国際的に活躍できる能力や積極性を身に付けることを目指すところ、キリスト教の教えを大切にした教育を行うところなど、子どもの将来像や希望に合わせて受けたい教育を選ぶことができます。

いわゆる「日本型の教育」にとらわれず、理想とする教育環境に身を置けるのもメリットといえるでしょう。

海外進学を狙いやすい

インターナショナルスクールのなかには、「国際バカロレア(IB)」という国際的な教育プログラムを取り入れているところがあります。この課程を修了して試験に合格し、国際バカロレアの認定証書(ディプロマ)を手に入れると、グローバルに通用する大学入学資格を得ることができます。

文部科学省でも、国際バカロレアの普及や拡大を推進しています。専用サイトなどで情報を発信したり、全国各地でセミナーやシンポジウムなどを開催したりしています。

参考:

文部科学省「国際バカロレアについて」

海外の大学に進学する(させる)ことを目指している子どもや親にとって、国際バカロレア認定校になっているインターナショナルスクールはとても魅力的といえるでしょう。

一方、インターナショナルスクールを選ぶなら注意しておきたい点があります。

就学したことにならない場合も

多くのインターナショナルスクールの法律上の位置づけは、通常の学校とは違う「各種学校」に分類されています。そのため、小学校や中学校を卒業しても義務教育を修了したことにならなかったり、高校を卒業しても大学受験資格がなかったりすることがあります。

日本の大学に進学したい場合などで困ることになりますので、あらかじめよく検討しておきましょう。なかには、卒業資格を得るために「日本の学校に籍を置きながらインターナショナルスクールにも通う」という人もいるようです。

日本の文化や歴史、日本語力を身に付けにくい

インターナショナルスクールでは、日本人が少なかったり、日本史の授業がなかったりすることがあります。英語や国際感覚を身に付けられる反面、日本語や日本の社会文化について学ぶ機会が減ってしまう点には要注意です。

普段、「英語で考えて英語で話す」のが習慣になっていると、家では日本語で話している子でも、とっさに適切な日本語が思い浮かばなかったり、難しい日本語が分からなかったりすることがあります。日本のことは、自宅でしっかり教えるなど、支障が出ないように親がフォローしているケースは少なくないようです。

学費が高額になりがち

インターナショナルスクールは、通常の学校よりも費用がかさむケースがあります。親の年収や貯金が少ないと、進学が難しいかもしれません。実際にいくらくらいかかるのか、事項で詳しく解説します。

インターナショナルスクールの学費(授業料)は、選ぶ学校にもよりますが、「年間150万円~300万円」が一般的な水準です。

授業料だけじゃない!費用の内訳

インターナショナルスクールに通うための費用は、学費(授業料)だけではありません。以下のような費用についても、計算に入れて必要があります。

  • 受験料:3~5万円(1回のみ)
  • 入学金:20万円~50万円(1回のみ)
  • 施設利用料:20万円~50万円(年間)
  • 教科書代や実習費など:30万円~50万円(年間)
  • スクールバス代:10万円~30万円(年間)
  • 上記の金額は学校によって差異があります。

このほかにも、サマースクール費用や寄付金など、そのインターナショナルスクール独特の費用がかかる場合があります。何に、いくらかかるかは、学校ごとに違います。入学案内などを読み込むなどして、しっかり確認しておきましょう。

ちなみに、インターナショナルスクールに入学するための英語学習や受験講座にお金がかかるケースもあります。

一般的な公立校・私立校の費用と比較

インターナショナルスクールではない、日本国内の学校に通った場合の費用についても見てみましょう。平均は以下のとおりです。

学校種別学習費総額の推移

(円)

区分 幼稚園 小学校 中学校 高等学校(全日制)
公立 私立 公立 私立 公立 私立 公立 私立
学習費総額 223,647 527,916 321,281 1,598,691 488,397 1,406,433 457,380 969,911
公私比率 1 2.4 1 5.0 1 2.9 1 2.1
うち学校教育費 120,738 331,378 63,102 904,164 138,961 1,071,438 280,487 719,051
構成費(%) 54.0 62.8 19.6 56.6 28.5 76.2 61.3 74.1
公私比率 1 2.7 1 14.3 1 7.7 1 2.6
うち学校給食費 19,014 30,880 43,728 47,638 42,945 3,731
構成費(%) 8.5 5.8 13.6 3.0 8.8 0.3
公私比率 1 1.6 1 1.1 1 0.1
うち学校外活動費 83,895 165,658 214,451 646,889 306,491 331,264 176,893 250,860
構成費(%) 37.5 31.4 66.7 40.5 62.8 23.6 38.7 25.9
公私比率 1 2.0 1 3.0 1 1.1 1 1.4
  • 平成30年度の年額
  • 「公私比率」は、各学校種の公立学校を1とした場合の比率
出典:

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」

学校教育費は、授業料のほかに入学金や学用品代や制服代などを含んでいます。学校外活動費は、塾や家庭教師、その他ピアノや水泳など習い事関係の費用です。

上記の表では、最も1年間あたり負担額が大きい「私立小学校」でも、平均学習費はおよそ「年間160万円」となっています。「年間200万円~300万円」であるインターナショナルスクールの負担の重さは、際立っています。

インターナショナルプリスクール(英語幼稚園・保育園)を利用するケースや、海外の大学に入学することになったケースでは、それ以上のお金がかかることも考えられます。しっかり計画を立てて、お金を準備しておくことが必要です。

割引や奨学金が利用できる場合も

上述のとおり、インターナショナルスクールの学費は高額になりがちです。しかし、学校によっては、きょうだいが同じ学校に通っていると割引が適用される制度があったり、独自の奨学金制度があったり、金銭面の負担を抑えやすいよう配慮しているところもあります。

国の支援制度がある

2020年から国の施策で「私立高校授業料の実質無償化」がスタートしています。文部科学省が認定しているインターナショナルスクールなら、返還不要の授業料支援の対象になります。

ただし、この制度では、対象になる人(親)の年収に制限があります。両親と高校生、中学生の4人家族で両親の一方が働いている場合、年収590万円未満までは支援額の上限まで、年収910万円未満までなら一部補助、となります。

ちなみに、インターナショナルプリスクールなら、年収の制限なしで「幼保無償化」の恩恵を受けられる可能性があります。その他、自治体などが独自の教育支援制度を用意している場合もあります。

費用負担を抑える方法を探してみよう

「学費が払えないかも……」と不安に思ったら、まずは上述のような支援制度が利用できないか確認してみましょう。「利用できない」とか「利用してもまだ足りない」という場合には、教育ローンという選択肢を検討することをおすすめします。

学費や教育費がかさむとき、頼りになるのが「教育ローン」です。銀行などの金融機関が提供している個人向け融資サービスの1つで、教育に関する出費をまかなうためのお金を借りることが可能です。

教育ローンの概要と特徴

教育ローンとはどんなものなのか、もう少し具体的に見てみましょう。金融機関ごとに内容が違いますが、京葉銀行では以下のようになっており、Webからも申し込みできます。

京葉銀行の教育ローン
何に使える? 入学金・授業料などの学校納付金、下宿や寮の入居費用や家賃、通学費用、海外留学費用、制服代、仕送り資金、他社の教育ローンの借り換えなど
どんな人が
利用できる?
以下の条件をすべて満たす人
  • 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院、高等専門学校、予備校、専修学校、各種学校に入学または在学する子ども、または、その保護者
  • 外国籍の場合、永住許可を受けていること
  • 申込時に満20歳(一括借入型は満18歳)以上、満65歳以下で、完済時満70歳以下
  • 安定した継続的な収入があり、京葉銀行の営業区域内に住んでいる
  • 京葉銀行が指定する保証会社や団体信用生命保険の審査に通過できること
借り方・
返し方は?
「カードローン型」か「一括借入型」を選べる
どうやって
申し込む?
Web、FAX、京葉銀行の店頭窓口のいずれかで申込手続きをする

教育ローンは、子どもが自身の名義で借りる「奨学金」とは違い、親名義で子どものために契約するのが一般的です。

京葉銀行の教育ローンでは、幼稚園~大学院の費用だけでなく、インターナショナルスクールの費用も借りることができます。進学前、合格前でも申し込むことが可能です。

教育ローンの「カードローン型」と「一括借入型」の違い

教育ローンには「カードローン型」と「一括借入型」の2種類があります。どちらにするか選べる金融機関もあれば、一方しか扱っていない金融機関もあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

カードローン型

お金を借りるための専用のカードが発行されます。そのカードを使って、必要なときに、必要な金額をATMで借りる仕組みです。上限額までの範囲内なら、毎回の申込みも審査も不要で、何度でもお金を借りることができます。在学中は利息返済のみで、卒業後に元金の返済が始まるタイプが多いです。

好きなタイミングで借りることが可能で、急な出費の備えに最適です。お守りとして持っておくと良いでしょう。

一括借入型

まとまった金額を一度に借りるタイプです。入学時にあらかじめ大きな金額を借りておき、計画的に返済していきます。団体信用生命保険(団信)が付いていたり、借りたあとは毎月元金と利息を返済していったり、住宅ローンに近い特徴を持っているものが多いです。あらかじめ、今後必要になるおおよその金額が分かっている人に向いています。

教育ローンの選び方

教育ローンを選ぶなら、以下のような点を比較しながら検討するとよいでしょう。

  • 金利
  • 必要な金額を借りられるか(融資の上限額)
  • カードローン型か一括返済型か
  • 申込み、借入、返済の手続きの手軽さ

選択に悩んだら京葉銀行にご相談ください。希望に合った教育ローンをご紹介いたします。

インターナショナルスクールは、英語力や国際感覚など将来グローバルに活躍するための素地を身に付けられる学校として注目されています。しかし、メリットばかりに目を向けるのではなく、注意しておくべき点を紹介しました。

通常の学校に進学する場合に比べて、お金がかかる点がその1つです。「教育費に回しすぎて普段の生活がカツカツ」といったことにならないよう、計画的に準備しておきたいところです。学費をまかなうために、教育ローンを使うという方法は有効な手段です。

子どもの将来のためにはどんな教育が最適なのか、家族でじっくりと考えてみましょう。

著者:馬場 愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表。
関西学院大学商学部を卒業後、銀行にて金融商品を扱う窓口営業に従事。その後、保険代理店や不動産会社などでの勤務を経て、独立。自身が過去に金銭的に苦労したことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐして伝えるべく活動中。お金にまつわる解説記事の執筆や監修を数多く手掛けている。保有資格:AFP、証券外務員一種、秘書検定1級など。
事務所公式サイト:https://babaeri.com/