京葉銀行
2025
11/25

定期預金の魅力を再発見!
普通預金との違いや、
賢く使うためのポイントを紹介

資産形成くらしのヒント
資産形成くらしのヒント

ホーム定期預金の魅力を再発見! 普通預金との違いや、賢く使うためのポイントを紹介

近年、金利の上昇により「定期預金」が再び注目を集めています。これまで「利息がほとんどつかない」というイメージが強かった定期預金ですが、最近では「堅実に資産を増やす手段」として見直されつつあります。
本記事では、定期預金の基本から、普通預金や投資との賢い組み合わせ方、さらに上手に運用するためのポイントまで、わかりやすく解説します。リスクを抑えながらお金を育てたい方は、ぜひチェックしてみてください。

株式会社Money&You取締役、ファイナンシャル・プランナー 中央大学客員講師
高山 一恵さん

2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。その後現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社) 、『50代から考えるお金の減らし方』(成美堂出版)など書籍100冊、累計190万部超。1級FP技能士。住宅ローンアドバイザー。

定期預金とは、預け入れ期間をあらかじめ定め、原則として満期になるまで引き出せない預金商品です。期間は1カ月、3カ月、6カ月、1年、3年、5年、10年などさまざまに用意されており、自分のライフプランに合わせて選ぶことができます。

定期預金の安心感を支えているのが「預金保険制度」です。この制度では、金融機関が破綻した場合でも、元本1,000万円とその利息までが預金者ごとに保証されます。つまり定期預金は、株式や投資信託などの元本割れのリスクを伴う商品と比べると、リスクを抑えやすい金融商品といえます。

とはいえ、定期預金は長らく「利息がほとんどつかない」というイメージが強くありました。日本銀行が公表する「預金種類別店頭表示金利の平均年利率」によると、2024年3月時点の1年ものの定期預金の平均金利は0.005%。仮に100万円を1年間預けても、利息はわずか50円程度しかつかない計算になります。この状況では「どうせ定期預金にしても意味がない」と思ってしまうのも無理はありません。

しかし、2025年8月の時点では、平均金利が0.256%にまで上昇。100万円を1年間預ければ約2,560円の利息となり、数字上はまだ小さいものの、これまでとの違いは明らかです。今後も金利が緩やかに上昇していく可能性があることを考えると、定期預金の位置づけは「守りの資産」から「堅実に増やす資産」へと変わりつつあるといえるでしょう。

特に「リスクをできるだけ抑えたい」「投資は不安」という方にとって、定期預金は有力な選択肢となっています。

安心してお金を預けるなら

定期預金の金利は、「固定金利型」が一般的です。つまり、契約時に決まった利率が満期まで適用される仕組みで、将来の受け取り額を事前に計算できるといった安心感があります。

定期預金の代表的な商品区分には、以下のようなものがあります。

  • スーパー定期
    預入金額が300万円未満の定期預金。多くの金融機関で基本的な商品として用意されています。なお、300万円以上を預ける場合は「スーパー定期300」と呼んで区別されるケースもあります。
  • 大口定期
    1,000万円以上を預ける場合に利用できる定期預金。通常よりも金利が優遇されやすく、まとまった資金を安全に運用したい人に向いています。

また、定期預金には預入金額による区分のほかに、利用目的に合わせて選べるタイプもあります。

  • 期日指定定期預金
    1年間など一定期間の据置期間を経た後、自分で満期日を指定できるタイプ。将来の支出時期がある程度決まっている資金に向いています。
  • 積立定期預金
    毎月一定額を積み立て、満期時にまとめて受け取れるタイプ。教育資金や旅行資金など計画的資金を貯めたいときに役立ちます。

このように、商品区分や種類を詳しく知っておくことで、「とりあえず定期預金」ではなく「目的に合った定期預金」を選べるようになります。

普通預金と定期預金には、それぞれ特徴があります。出し入れの自由度や金利の仕組み、役割の違いを見てみましょう。

普通預金 定期預金
出し入れの自由度 入出金の制約がなく、必要なときに自由に引き出せる 原則として満期まで引き出せない。中途解約は可能だが、中途解約利率(低金利)が適用され、利息はほとんどつかない
金利の仕組み 変動金利。一般的に低水準で、大きな利息はつかない 固定金利が主流。契約時の金利が満期まで適用され、普通預金よりも高めに設定される
役割の違い 日常生活の決済や給与振込、公共料金の引き落としなど、流動性の高い「すぐに使うお金」を管理する 余裕資金を安全に貯蓄し、将来の支出に備えて守りながら増やす「未来に向けたお金」として活用する

普通預金は、入出金の自由度が高く、日常生活に必要なお金を管理するのに適しています。給与の受け取りや公共料金の引き落としなど、日々の支払いに対応するための「すぐに使うお金」を置いておく場所と考えるとわかりやすいでしょう。金利は変動制で一般的に低水準のため、大きな利息は期待できませんが、その分いつでも自由に使える安心感があります。

定期預金は、普通預金より高めの金利が設定されており、資金を安全に増やすのに向いています。ただし、満期前に解約すると「中途解約利率(低金利)」が適用され、利息がほとんどつかない点に注意が必要です。教育費や住宅購入資金など、将来の支出に備える「守りながら貯めるお金」として活用できます。

定期預金は「預けるだけ」と思われがちですが、活用方法によってお金の守り方や増やし方に違いが出てきます。ここでは定期預金を上手に利用するための方法を紹介します。

普通預金とセットで管理する

生活費や緊急時に備える資金は普通預金に残し、余裕資金だけを定期預金へ預けて管理すると安心です。こうすることで急な出費にも対応でき、資金不足のリスクを回避しながら、利息を効率的に得られます。

投資と組み合わせる

資産形成を考えるときは、普通預金・定期預金・投資をバランスよく組み合わせるのが効果的です。あくまで目安ですが、例えば、次のように「時間軸」でお金を仕分けすると、資産全体の安全性と成長性を両立できるでしょう。

  • 日常生活や急な出費 → 普通預金
  • 1~5年以内に必要な資金→ 定期預金
  • 5年以上先の資金(教育資金や老後資金など) → 投資信託や株式

積立型で貯蓄を自動化する

「気づけばお金が残っていない」という人には、「積立定期預金」がおすすめです。給与から一定額を自動的に貯蓄口座に振り分ける仕組みにしておけば、計画的に資金を積み立てられるので、例えば「数年後に〇〇のためにいくら準備したい」といった目標にも対応できます。
一方で、将来に向けた長期の準備には、積立NISAなどを活用した投資信託の自動積立が有効です。貯蓄や投資を先に確保し、残ったお金を生活費に充てる流れをつくっておくことで、意識しなくても自然にお金が貯まる習慣が身につくでしょう。

複利効果を活かす

定期預金は満期を迎えたとき、解約してお金を受け取るだけでなく、そのまま次の定期預金に継続する方法を選ぶこともできます。このとき、満期時に利息を元本に組み込む「元利継続」を選べば、利息が利息を生む「複利効果」を享受できます。例えば、1年ごとに利息を受け取る場合よりも、利息を元本に加えて再預金するほうが、同じ金利でも長い年月をかけることで受け取れる総額に差が出てきます。

金利動向を意識する

定期預金を賢く活用するには「金利が上昇局面にあるのか、下降局面にあるのか」を見極めることが大切です。金利が上昇しているときに、いきなり長期の定期預金で資金を固定してしまうのは得策ではありません。例えば、金利0.2%で10年ものに預けた場合、その後0.5%や1.0%に上がっても、契約時の0.2%が適用され続けてしまいます。

こうした金利面での不利を避けるには、まずは1年程度の短期で預けておき、満期ごとに預け直す方法がおすすめです。もし翌年に金利が上がっていれば、その時点の高い利率で新たに定期預金を組むことができます。金利が上昇傾向にあるときは短期で小刻みに、金利が落ち着いて高止まりしたときは長期で固定する、といった使い分けがポイントです。

各金融機関が実施しているキャンペーン・特典付き定期にも注目

各金融機関では、期間限定のキャンペーンや特典付きの定期預金が展開されています。例えば、通常より金利が上乗せされたり、預け入れるだけで景品やポイントがもらえたりと、ちょっとしたお得感を味わえるのが特徴です。メガバンクからネット銀行まで幅広く実施されており、資金を預けるタイミングや目的に合わせて使い分けることで、安心しながら効率的に利回りを確保できます。

京葉銀行でも、ユニークな定期預金のラインアップをそろえています。特定の条件に応じて利用できる商品としては、相続資金を対象に優遇金利が適用される「相続定期預金」や、年金受け取りを京葉銀行に指定した方が対象となる「うれし定期」、退職金受け取りを対象にした「退職金定期」などがあります。一方、「特別金利定期預金」は期間限定で金利が優遇される商品、「ジャンボ宝くじ付き定期預金」は預け入れると宝くじがもらえる商品で、いずれも期間が限られたキャンペーン商品です。

まとまった資金を少しでも有利に運用したい方や、楽しみをプラスしながら資産を預けたい方にとって、魅力的な選択肢となっています。

金利が動き始めた今、定期預金は単なる「守りの資産」から「堅実に増やす資産」へと役割を広げています。大きなリスクを負わずに資産を育てたい人にとって、魅力的な選択肢といえるでしょう。さらに、普通預金や投資商品と組み合わせれば、安定性と成長性の両立も可能です。これからの資産形成を考えるうえで、定期預金をあらためて見直してみてはいかがでしょうか。

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