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2025
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完全初心者向け「投資と貯蓄Q&A」

完全初心者向け
「投資と貯蓄Q&A」

資産運用・NISA
資産運用・NISA

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投資に興味を持つ人が増え、SNSやインターネット上にはさまざまな情報があふれています。一方で「投資ってよくわからない」、「なんだか怪しい、怖い」という方々も決して少なくありません。初心者すぎて誰にも聞けない素朴な疑問を専門家に伺い、投資の「初歩の初歩」を学びましょう。

株式会社Money&You取締役
ファイナンシャル・プランナー 高山 一恵さん

2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務め、退任後はMoney&Youの取締役に就任。月400万PV超の女性向けマネーメディア「Mocha」やチャンネル登録者2万人超の「Money&You TV」を運営し、講演・執筆・相談業務に従事。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など著書多数。

A:全員ではないけれど、投資に興味を持つ人は確実に増えています。
ただしSNSだけを鵜呑みにせず、正しい情報を収集しましょう。

さまざまなSNSサービスが身近な存在となり、誰もが情報を発信・閲覧できる時代です。人気のインフルエンサーの投資体験は参考になりますし、誰かが「これだけ儲かった!」、「やらなきゃ損!」と言っていると、誰もが投資で得をしているように思えて、焦ってしまうこともあるでしょう。

その一方で、SNSで投資に対するネガティブな意見を見聞きすることもあります。よく知らない発信者だったとしても、「投資の裏側にはこんなカラクリが」なんて言われると、なんだか怪しげなものに思えるかもしれません。これらの情報を見続けていると、何が正解かわからなくなってしまいますね。

最近では、マネーセミナーやFP(ファイナンシャル・プランナー)相談に若い世代が訪れることも多いそう。なかには学生のうちから投資に興味を持ち、相談に来る人も。もちろん全員が投資をしているわけではありませんが、SNSをきっかけに「やってみようかな」と思う人は確実に増えています。

ただし大事なことは、SNSで流れている情報を鵜呑みにしないこと。SNSで発信されていることの多くはその発信者個人の意見です。1つの体験談として参考にしつつ、専門家などが発信する正しい情報を収集し、自分に合った方法を検討してください。

A:公的機関や金融機関、専門家監修の記事など、信頼できる発信元の情報を参照して。
マネーセミナーやFP相談、銀行への相談も検討してみましょう。

SNSもそうですが、情報を求めてインターネットで検索しても、多くの情報がヒットしてしまって何が正しいかの判断がしにくいですよね。

自分の資産のことですから、情報をきちんと精査して投資に取り組まなければなりません。ですが「人気インフルエンサーが勧めていたから○○の株を買いました、でもよくわかっていません」という人が実は少なくないとか。SNSをきっかけにその株の銘柄についてよく調べ、納得して購入するのならよいですが、聞きかじった情報だけで飛びついてしまうと、いざその銘柄が落ち込んだときに焦ることにもなりかねません。

インターネットで情報を得るなら、信頼できる専門家が監修した記事や公的機関の情報、金融機関が中立的な立場で発信している情報などを参照するようにしましょう。情報収集のポイントは、発信者の身元がはっきりしていること、特定の商品を売るための宣伝目的ではないことです。また、金融機関などが主催するマネーセミナーでも体系的な知識を学ぶことができます。さらに自分に合った情報を得たいなら、専門家であるFPに相談依頼をするのもよいでしょう。

「何を相談すればいいのかわからない」、「とりあえず気軽に話を聞きたい」といった場合は、お近くの銀行への相談もおすすめ。「今さらこんなことを聞いたら恥ずかしい……」と思うような初歩的な質問にも、親身になって答えてくれますよ。

お金の不安、相談してみませんか

A:貯金は大切。でも、ただ「お金を持っているだけ」では価値が下がってしまうので「お金に働いてもらう」つもりで資産を運用する視点が必要です。

もちろん手元資金として貯金をしておくのはとても大切なことです。災害や病気・ケガなどで働けなくなった場合などに備え、最低6カ月分の貯蓄をしておくことをおすすめします。一方で、長期的な目線で「資産形成」を考えるなら、現金貯蓄だけでは不十分だともいえます。

その理由は、近年の世界的なインフレ傾向によって年々上昇している物価が関係しています。物価が上がると、去年は100円で購入できたモノが、今年は120円払わないと買えなくなります。100万円の貯金があっても、モノの値段が上がってしまえば100万円の価値そのものが下がってしまうことになるのです。

現金を保有するだけでは価値が減っていく一方だとすれば、将来的な資産形成のためには、物価上昇分以上に資産を増やしていかなければなりません。「お金自体に働いてもらう」という視点で、資産運用を考えてみてはいかがでしょうか。

A:お客さまから集めた資金で投資の専門家が資産運用を行います。
「長期・積立・分散」を実践しやすいため、初心者にもおすすめです。

投資信託は、多くのお客さまから集めた資金を元手に、投資の専門家が国内外の株式や債券などに分散して投資を行い、その成果をお客さまに分配するという金融商品です。「どんなタイプの株式や債券に投資するか」という方向性を決めた投資信託商品(ファンド)が複数あり、自分に合ったファンドを選ぶことができます。

投資信託のメリットは、少額から始められること、プロに運用を任せられること、さまざまな国や金融商品に分散して投資できることです。投資の基本である「長期・積立・分散」を実践しやすいため、初心者でも始めやすい投資手法だといえますね。

A:投資信託を扱う銀行や証券会社などで購入することができます。
まずは投資信託を買うための口座を開設してみましょう。

投資信託を扱う銀行や証券会社などで購入が可能です。とはいえ、スーパーに食材を買いに行くのと同じように購入できるわけではありません。まずは銀行などに投資信託口座(投信口座)を開設しましょう。

投信口座はインターネット上で開設できる金融機関も多いものの、自分に適した口座の種類がわからず、後回しにしてしまう人も多いそう。お近くの銀行などに来店して相談すれば、投信口座開設や投資信託購入をサポートしてくれるので、一度足を運んでみてもよいかもしれません。

投資信託口座開設の流れを知ろう

A:確認頻度は人それぞれですが、金融商品によっては逐一チェックしなくてもOK。
長期的な目線で運用状況を把握しておきましょう。

投資と聞くと、為替や株の値動きをにらみながら瞬時に売り買いを行うデイトレーダーを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、デイトレーダーの投資方法と、初心者の方が取り組みやすい投資方法は違うので安心してください。

投資の目的にもよりますが、将来の資産形成を見据えて投資をするなら、「長期・積立・分散」が鉄則。すぐに結果を出すのではなく、長い目で見てプラスになることを目指す方の場合、数カ月~半年に1回程度の頻度で運用状況を確認し、把握していることが多いようです。

とはいえ、いったん資産運用を始めてみると、値動きが気になってしまうものです。勉強のつもりで、日々の値動きを見ておくのもよいでしょう。ただし、一度下がったからといって慌てて売却するのはおすすめできません。なぜその銘柄やファンドの値が下がったのかを見極め、一時的な要因であれば、長期的な目線でどんと構えておく姿勢も大切です。

A:本当に怖いなら、無理に始めなくてもOK。
リスクを抑えた投資方法もあるので、リラックスして情報収集しましょう。

投資をすることが本当に怖いなら、無理に始める必要はありません。ただし、前述したようにお金の価値は目減りすることが予想されるので、まずはリスクを最小限にした方法を試してみてはいかがでしょうか。

現在は金利が上昇傾向にあるので、元本割れの心配がない定期預金もよいでしょう。もう少しリスクを許容できるなら、たとえばNISA制度を利用して少額から積立投資を始めてみます。毎月1,000円などの少額で積み立てることができるものもあるので、肩の力を抜いて情報収集してみてくださいね。

A:国の後押しによって投資環境はどんどん整備されています。
最初の一歩さえ踏み出せば、意外とすんなり始められるかも。

知らないことを始めるのは、なんでも大変なものです。でも実は、投資は頭で考えているほど難しいものではありません。たとえば初心者が始めやすい投資信託なら、銀行や証券会社などで投資のための口座を開設してファンドを選び、購入するだけ。第一歩を踏み出せば、あとは少しずつ学びながら知識を深めていけばよいのです。

今は国が個人の投資を後押しし、NISA制度などの税制優遇も進められています。投資が特別なものではなくなるとともに、初心者が始めやすい環境が整いつつあります。「資産運用について考えなきゃいけないけど、面倒だな……」と二の足を踏む気持ちを奮い立たせて、ほんの少しだけ行動してみましょう。たとえば、自分が使っている銀行の投資信託ページを開いてみる、同僚や友人に雑談ついでに相談してみるといった気軽なもので構いません。自分で調べるのはハードルが高いと感じたら、お近くの銀行などに相談してみてもOK。思い切って窓口に行ってサポートを受ければ、悩んでいたモヤモヤがスッキリしますよ。

A:ポイントは「目的」と「リスク許容度」。
自分の状況を分析しながら適したファンドを選んで。

ファンド選びは、簡単に言えば「投資のバラエティパックを選ぶ」ようなもの。そのバラエティパックに何が入っているのかをチェックして、自分に適した投資先を検討します。検討のポイントとなるのは、投資をする目的と自らのリスク許容度です。

たとえば「現在30歳で、65歳までに老後資金を2000万円貯めたい」なら、じっくり35年かけて長期投資ができるので、投資する商品や地域をバランスよく分散させたファンドが適しているかもしれません。一方で「5年後に海外旅行に行く資金を増やしたい」のなら、その期間で値上がりが予想される、比較的ハイリスクハイリターンの金融商品を検討する必要があるかもしれません。

さらに、自分が投資に割ける予算を算出し、どの程度のリスクなら許容できるのかを知っておくことも重要です。どうしても元本割れしたくないなら比較的安定的な運用が見込める国内株をメインとしたファンド、ある程度のリスクを覚悟できるなら大幅な値動きがあり得るアメリカ株に絞ったファンドなど、リスク許容度によって検討する投資先が変わってきます。

投資に「絶対儲かる」はありません。「この銘柄を選べば大丈夫」、「投資信託ならこのファンド一択」のような情報に踊らされることなく、自分の状況を踏まえたファンド選びを心がけてください。

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投資信託に向いていない人3選

投資信託は、投資初心者でも取り組みやすい心強い存在です。しかし、そんな投資信託に向いていない人はいるのでしょうか。投資信託をおすすめできない3パターンの人の傾向をご紹介します。

  • 自分で調べて投資先を決めたい人

投資信託は、自分の投資方針に合ったファンドを選び、細かい投資先はプロに任せることができる便利な仕組み。投資先を自分で指定したい人には向いていません。

  • 長期でコツコツは嫌、短期間で一攫千金を得たい人

長期・積立・分散が基本となる投資信託では、「一晩で大金を当てる」ようなリターンは期待できません。一攫千金を狙うなら、適度なリスクで長期的に運用する投資信託には向いていないでしょう。

  • 株主優待を受けたい人

投資信託によって株式に投資している場合、株主優待は受け取れません※。気に入った企業の株主優待を期待している人は、投資信託ではなく株式投資を行いましょう。

※株主優待は可能な限り換金し、信託財産に組み入れられます。

迷っているなら、まず一歩を踏み出してみませんか

急激な円安や物価高などの情勢により、今や資産運用は現代人の必須科目ともいえます。とはいえ、最初は誰でも初心者です。「今さらこんなこと聞けない……」、「これから始めても遅いのでは……」と悩む前に、まず一歩を踏み出しましょう。迷ったときは1人で悩まず、ぜひお近くの銀行に相談してみてくださいね。