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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その15 「継続こそ力なり」を忘れずに

確定拠出型年金もまず加入することが大切です。企業型の場合は企業が社内制度として導入すれば、従業員は自動的に企業型に加入しますから問題はありません。企業が既存の企業年金制度を導入しておらず、確定拠出型年金も導入しない場合は、自分で個人型に加入すべきでしょう。老後に備えた蓄財の第一歩は加入することから始まるのです。次に加入したら継続することが大切です。確定拠出型年金では一定の勤続年数の条件を満たせば退職して他に転職した場合でも、それまで積み立てられた資産を転職先に持っていくことができます。これをポータビリティと言いますが、転職先に企業型があれば、それに資産を移し替えることができます。企業型がない場合は、中断することもできますが、その場合は個人型に加入して継続することが望まれます。
 
株式投信の商品を選択したら、基本的にはみだりにスイッチングせずに、それを継続して購入していくことが大切です。株式投信は長期間継続的に投資することでリスクを小さくし、高いリターンを得られる可能性が高いためです。株式投信も安い時に買って高い時に売却するのが理想ですが、現実には不可能と考えるべきです。安値と思った時からさらに下がる、高値と思った時からさらに上がることもあるわけで、安い高いは結果をみなければ分からないのです。しかも毎月掛け金を拠出していくシステムですから、ある程度貯まってからではなければ、まとめて買ったり売ったりすることも現実にはできません。こうしたことを考えるより、とにかく継続していくことを最優先に考えてください。毎月の掛け金で購入していくことは、無意識のうちにドル平均法を実践しているからです。
 
ドル平均法というのは価格に関係なく、同一商品を一定期間、一定金額買い続けることによって、平均の買い付けコストを引き下げる方法のことです。一定金額で買い付けますから、安くなればなるほど買い付ける量が増えることになります。一方、高くなればなるほど買い付ける量は減りますから、平均のコストは低くなるという仕組みです。単純なケースを例示します。1回2万円の掛け金として、価格上昇局面と価格下落局面に分けてみます。上昇局面で1回目の購入価格が1000円なら20口、2回目の購入価格が1100円なら18.18口、3回目の購入価格が1200円なら16.66口購入することになります。購入価格の単純平均は1100円ですが、実際に購入した1口当たり単価は1094円になります。価格下落局面でみますと1000円で20口、900円なら22.22口、800円なら25口購入しますから、購入価格の単純平均900円に対し、1口当たり単価は892円になります。平均コストがいずれの場合でも、単純平均価格より低くなることが分かります。平均コストが低くなれば、リスクはそれだけ軽減されます。また収益率向上の可能性も高くなります。長期に継続すればするほど、ドル平均法の効果はでてきます。「継続こそ力なり」といいますが、株式投信を商品として選択した場合も長期に続けることによって、成果が高まると考えてください。

 

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