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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その14 商品変更は大きな流れに注目して行いましょう

確定拠出型年金では、加入者個人ごとに資産管理機関で運用資産が管理され、直近までの掛け金総額、評価額が常時把握できるようになっています。掛け金総額と評価額との差額が運用成果ということになりますが、これをチェックすることは重要です。これを怠ることは自己責任ということを忘れていることを意味します。運用成果をチェックすることによって、期待した利回りが確保できていれば、商品選択が間違っていなかったことを確認できるわけですし、利回りが極端に低いような時には、その原因が何かを考えることもできます。利回りが極端に低いときには選択した商品が間違っていたのではないかと考えてしまいますが、短絡的に決めつけることは危険です。商品が間違っているのではなく環境が原因の場合もあるからです。利殖とは気長に我慢するということが大切なのです。
 
確定拠出型年金では、運用対象の変更が可能です。これをスイッチングと言います。一度商品を決めたら変更できないという制約がないのが特徴です。見直しは3ヵ月に一度行うことができます。このため、運用成績を常時チェックしては、頻繁に商品を変える人もあるかもしれません。しかし、これは決して得策ではないのです。「短気は損気」と言いますように、スイッチングを頻繁に行うと、逆に収益率が低下し、後で臍を噛む可能性もあると考えてください。株式投信は株式市場の動向に大きく影響されますが、株式市場は常時値上がりしているわけではなく、上昇するときでも波を描いて動くものです。波が下降に入っている時に運用成果をチェックすれば、結果は思わしくないものになっているかもしれませんが、それから1年も経たないうちに、逆に運用成果が大きく上がるということもあるのです。足元のことだけに目を奪われて、思い悩むことは避けるべきです。
 
ただ、商品変更を思い切って行う必要がある時もあります。景気がピークを打って悪くなりそうな時は、株式市場も下落に向かう危険性がありますから、それまで株式組み入れ比率の高い有利性追求の商品で高い成果を挙げていても、これを売却して安定重視型の商品にスイッチすることが必要になってきます。逆に不況期から景気が回復に向かう可能性が出てきたら、思い切って株式組み入れ比率の高い積極型の5分類の商品にスイッチすることを考えることも必要です。要するに、ただ単に運用成果に一喜一憂してスイッチングを考えるのではなく、経済・社会情勢に大きな変化が生じそうな時にだけスイッチングを考えた方がよいということです。この経済・社会情勢の変化の波を把握するためには、日常から経済情勢や社会の変化に関心を持つことが大切です。身の回りのことや自分の仕事からも変化を読み取ることができるはずです。ただ、そうした意識がなければぼんやりと見過ごしてしまいます。好奇心が強く、研究心旺盛な人ほど利殖で成功する確率は高いといわれます。常日頃から世の中の動きに関心を持って勉強することを怠っていては、成果も上がらないと考えるべきです。

 

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