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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その12 金融資産のバランスを考えましょう

株式投信の選択に当たって、リスク・リターン1分類の安定重視型から、リスク・リターン5分類の積極値上がり益追求型までの選択肢があるわけですが、いずれを選択するかは個人それぞれの置かれた状況によって違ってきます。どんな人でも老後のことを考え、自分の可能な範囲で資産形成を進めているはずです。総務省の調査によると、1世帯当たりの金融資産残高は、世帯主が30〜34歳の世帯で647万円、40〜44歳の世帯で1138万円になっています。その種目別構成比をみますと、30〜34歳の世帯では、預貯金60%、債券・債券型投信・信託2%、保険35%、株式・株式投信3%となっています。40〜44歳の世帯では預貯金55%、債券・債券型投信・信託3%、保険38%、株式・株式投信4%です。これに明らかなように、年齢を経るとともに金融資産残高は増えていますが、その内容は預貯金が主体で、これに債券・債券型投信、信託を加えた安全性を追求した貯蓄が30代前半では62%、40代前半では58%に達しています。保険が35〜38%と高い水準にあるのは万が一に備えたものとみることができます。これに対して有利性を追求する株式・株式投信は3〜4%と年代に関係なく極めて低い状況にあります。
 
平均ですから、みんながそうだということではありませんが、現状は貯蓄に当たって安全性が優先され、万が一の場合には保険で対応しようとしていることが窺えます。年金は従来でも老後の生活の原資として考えていたはずです。確定拠出型年金においても老後に備えるものであることに変わりはありません。老後が豊かでありたいと考えた場合に、ただ貯蓄を増やすことだけでなく、利殖ということを考えなければなりません。貯蓄の3分法ということがいわれています。3分の1は預貯金や公社債投信など元本保証の何時でも引き出せる商品で子供の学資や結婚資金に備える、3分の1は公社債や保険など元本保証型で換金性のある長期商品で不慮の事態に備える、残る3分の1は株式や株式投信など有利性を目指した商品で積極的に利殖を考えるというものです。ところが、現在の金融資産の内容は積極的に利殖を目指す商品の比重が極めて低く、安全性に傾斜し過ぎている傾向があります。
 
そこでの確定拠出型年金特質を考えてみましょう。60歳まで引き出し不可能な貯蓄です。家族の学資などに充当することはできませんし、不慮の事態にも対応できない性格を持っています。現在の保有金融資産が当座のことや不慮の事態に対応するものとなってえいるわけですから、確定拠出型年金については有利性を目指した有利性を指向してもよいはずです。もちろん個人差はありますから、それぞれの置かれた状況で株式投信でも、どのタイプを選ぶかを考える必要があります。要するに自分の金融資産の構成をチェックして、元本保証の安全性指向が強過ぎてはいないか、有利性だけに傾斜していないかを考えて、そのうえで株式投信を選ぶ場合には、どのタイプを選ぶかを判断することが望ましいのです。

 

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