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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その10 株式投信にかかる経費も無視してはいけません

株式投信に経費がかかることが忘れられがちですが、この点も念頭に入れておく必要があります。経費というと購入時に徴収される販売手数料だけを考えがちですが、この他に二つの費用がかかります。一つは信託報酬と呼ばれるものです。運用会社も人件費や宣伝費、保管・管理手数料などの経費がかかります。こうした経費を信託報酬として1年に1度、ファンドの純資産から差し引かれています。購入者から直接徴収するわけではないので、購入者には信託報酬を支払っているという意識はありません。もう一つは信託財産留保金と呼ばれているものです。購入者が解約すると運用会社はこれに見合った資金を作るため株式などを売却することになりますが、これにも経費がかかるため残存する投資家との公平性を図るために解約者が負担する経費のことです。
 
この中でも注目する必要があるのは販売手数料と信託報酬ですが、いずれも商品によって違っています。販売手数料は一般的には販売価格の2%〜3%程度ですが、最近は1%前後の低い手数料の商品も増えてきています。さらに販売手数料を徴収しないファンドもあり、これをノー・ロード型と呼んでいます。一方、信託報酬についても年間0.5%〜2%程度になっています。販売手数料は購入時だけのものですが、信託報酬は毎年支払うものですから、この大小には注目しなければなりません。年間2%とすれば10年では20%にもなるのですから馬鹿になりません。この間にそれだけの運用成績が上がらなければ純資産は減少し、基準価格も下落することになります。仮に年間の運用利回りが1.5%にとどまり、信託報酬が2%だった場合には、その年は運用成績がプラスであっても純資産は0.5%減るということになるのです。
 
そこで、株式投信を選別する場合には、費用のなかでも信託報酬の大小に注目する必要があります。販売手数料を徴収しないノー・ロード型や販売手数料が低い場合には、概して信託報酬を高めに設定しているケースが少なくありません。販売手数料がないと喜んでいてはいけないのです。信託報酬をがっちり取られていては、販売手数料がないことなどは簡単に埋め合わせされてしまうのです。信託報酬が高くてもしっかりした運用で成果を挙げてくれれば良いのですが、信託報酬が高くて運用成果も悪いとあっては踏んだり蹴ったりということになります。既存の商品については運用成果と信託報酬の大小をチェックして商品選択を行う必要があるでしょう。販売手数料や信託報酬についても目論見書に記載されていますから、見逃さないようにする必要があります。
 
大型の株式投信が総じて不振です。運用金額が適正規模を超えて大きくなれば、運用が難しくなることも確かですが、運用に力を入れて新規の資金を導入しなくとも、居ながらにして莫大な信託報酬が入るためだという説もあります。うがった見方ではありますが信託報酬が運用会社にとっては大きな収入源であることを物語るものです。この説が正しいと考えれば、メガファンドと言われる資産規模数千億円単位の株式投信は避けた方が良いということになります。

 

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