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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その4 有利性追求と安全性追求は両立しないことを知ってください

資金運用に当たってよく使われる言葉に、「リスクとリターン」という言葉があります。 リスクとは呼んで字の如く危険性を意味します。リターンとは投資収益率のことです。株式投信でも、これはローリスク商品ですとか、これはハイリターンを狙った商品ですという説明が行われます。ローリスク商品というのは危険性を低く抑えた商品という意味であり、ハイリターン商品とは高い収益率を狙っていますということですが、注意する必要があるのは、ローリスクならリターンが小さくなる、ハイリターンならリスクが大きくなることも意味しているということです。リスクとリターンは表裏一体、リスクが小さいほどリターンは小さく、リターンが大きいほどリスクが大きくなる関係にあるのです。極めて端的な例を競馬の馬券に当てはめてみればわかると思います。当たる確率が高いリスクの小さい馬券ほど配当は少なく、配当の大きい馬券は当たる確率が小さく、はずれのリスクが大きいのです。

 
もっと分かりやすい言葉で言いますと、リスクは安全性の大小、リターンは有利性の大小を示すと考えればよいでしょう。最も安全なリスクのない商品の代表が預貯金ですが、有利性という点では最も低い商品です。逆に有利性という点で考えれば株式が最も高い商品です。上手くすれば短期間で資金が2倍になることもありますが、値下がりして損をする危険性もあり、安全性は低くなります。安全性を求めれば求めるほど有利性は低下しますし、有利性を追求すれば安全性が低下するのです。安全性と有利性は逆相関の関係にあり両立はしないのです。元本保証で安全性の高い預貯金を選択すれば、現在のような超低金利状態では低利回りを我慢しなければなりません。今後、預貯金金利が上がることもあり得るわけですが、安全性を求めれば有利性を犠牲にすることは覚悟しなければならないということです。
 
株式投信は基本的に、株式に分散投資するとともに一部を他の安全性の高い商品にも投資することによって、株式の有利性を生かしつつ、有利性を一部犠牲にしてリスクを軽減している商品です。さらにプロが運用することで可能な限りリスクを軽減する努力が払われています。安全性と有利性は両極に位置するものですが、株式投信は種類が多いものの基本的には安全性追求と有利性追求の中間に位置する性格を持っている商品と考えればよいでしょう。しかも、株式投資ではある程度まとまった資金が必要で、ミニ株投資という手段はありますが、基本的に少額の掛け金の投資確定拠出型年金には馴染みにくいものです。株式投信は少額資金で購入が可能で、追加型では1万円以上なら1円単位で購入できますから、株式投資の問題点を解決している商品といえます。ローリスク、すなわち安全性を追求しますと、現状ではほとんどリターンを得られない状況にあること、60歳までの長期運用であることを考えますと、有利性をある程度追求した商品を選ぶことが大切です。株式投信が最も注目される商品になっているのは当然ともいえます。

 

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