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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その3 「運用結果は自己責任」の意味を十分に理解してください

「みんなで渡れば怖くない」という言葉がありますように、日本人の性癖として他人の行動をみながら、それを真似するきらいがあります。法制度が施行される前に確定拠出型年金を採用した某企業では、部や課単位でみますと、7割の人が同じ商品を選んだということです。選択を強制したわけではないのに、結果としてそれぞれの部署で知識が豊富だとみられていた人が選んだ商品だとか、同僚が選んだからという単純なことが理由になって同じ商品に集中したようです。あの人が選んだ商品だから間違いないとか、同僚と同じなら無難だと考えた結果といえます。しかし、それでよいのでしょうか。他人が選んだ商品が正しい選択であったかどうかは、結果をみなければ分かりません。また、その商品がすべての人に相応しい商品とは限りません。加入者それぞれの現在の金融資産状況や、加入する年齢、家族構成などは違います。状況の違いによって選ぶべき商品も違ってくるのが当然のはずです。
 
確定拠出型年金は自己責任が原則です。自己責任とは加入者が選んだ商品の結果については、加入者自身が責任を持つということです。選んだ株式投信が結果として上手くいかなくとも、その結果を他人のせいにすることはできないのです。文句を言ってみても通るわけがありませんし、尻拭いしてくれるはずもありません。従来の確定給付型年金でしたら、運用成果が上がらなくとも加入者には無関係でした。結果がどうあれ約束された年金がもらえる仕組みになっていました。運用成果が上がらなくて不足した分は会社が負担してくれたからです。このため、自分で考える必要はありませんでした。しかし、確定拠出型年金は自分で選んだ商品の成果次第で、受け取る年金が違ってくる仕組みになっています。運用と結果は加入者個人の自己責任に任されているのです。この点を考えれば、同僚が選んだから選ぶといった付和雷同的な選択は、自分の生活設計に真剣さが欠けていることを意味するものです。
 
結果が自己責任であることは、商品の選択に当たっても、他人任せや付和雷同型ではいけないということです。株式投信も多種多様です。確定拠出型年金向けに新たに設計された株式投信だけでも投資信託各社から100本前後も売り出されるとみられています。このなから企業が10本前後を選択し、そのなかから加入者が選択するという二段構えの選択方法になっていますが、このなかから何を選ぶかというのは加入者の判断に任されているのです。何を選ぶかによって結果に違いが出てくるとするならば、人真似でよいわけはありません。対象となっている商品を十分に研究し、自分に相応しい商品を選ぶことが重要なのです。これを怠ることは結果の良し悪しにつながりかねません。自己責任ということは、商品選択にあたっても自分にとって最良と思うものを選び出す研究心こそが重要だということを意味しているのです。研究を怠ることは選択権を放棄することであり、場合によっては自分が泣きをみることにつながるのです。


 

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