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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その2 株式投信は元本が保証されませんが有利性の高い商品です

株式投信を選択する場合、まず頭の中に入れておく必要があることは、株式投信が変動商品だといういうことです。変動商品ということは価格が常時変動するということです。これは価格が上昇する場合がある一方で、値下がりすることもあり、元本が保証されていないということを意味します。投じた資金の元本が保証されている預貯金や、償還期限がくれば元本が償還される債券との大きな違いです。株式投信とは、その名称が示すように資金を主として株式で運用する商品です。株式の価格は常時変動していますから、この株価の変動によって株式投信の価格も常時変動します。ですから株価次第では元本を割り込む危険性があるわけです。株式投信を選択する場合には、この株式投信は元本が保証されていないということを納得しておく必要があります。
 
もちろん、株式投信はファンドマネージャーといわれる株式運用の専門家が運用しますし、多くの銘柄に分散して投資しています。元本割れの危険性を回避し、可能な限り値上がりを目指す努力をしています。その点では、素人が株式投資を行う場合よりは失敗する危険性は小さいといえます。しかし、「株式の世界には絶対という言葉が通用しない」と言われますように、どんなプロでも株式市場全体の大きな流れには逆らえません。市場全体が逆風の時はどんなに頑張っても上手くいかないこともあります。また、予想もできなかった材料で値下がりすることもあります。プロですからこのような事態になっても、一般投資家よりは被害を最小限に食い止めることはできますが、プロといえども神様ではありません。しかも株価の動きは予測の限界を超えるところがあります。絶対に心配ないと保証することはできないのです。
 
ただ、確定拠出型の年金は長期の運用であることを忘れてはなりません。長期的にみれば、株式の投資収益率は高く、かつリスクも小さくなることが証明されています。1952年以降の48年間について、上場全銘柄の総合投資収益率を日本証券経済研究所が調査していますが、長期に保有するほど下落の危険性が小さくなることが明らかにされています。3年間保有の場合に投資収益率の平均は年間15.6%で、マイナスになったケースが6回ありました。ところが10年間保有の場合は、年間の投資収益率平均は15.7%とほぼ同じですが、マイナスのケースは僅か2回でしかありません。この株式の実績から考えると、株式投信も長期に保有すればリスクは小さく、しかも有利な商品であるとみることができます。さらに、株式投信を上手に活用する手法を自分で身につけておけば、さらにリスクを小さくし、成果を高めることも可能です。元本保証でないからといって、最初から株式投信を拒絶する姿勢には賛成できません。元本保証にこだわることは、60歳時点で受け取る年金が相対的に少ないことを覚悟することを意味するものです。中途で引き出すことのできない制度だからこそ、積極的に有利性を追求することが大切だと考えてください。


 

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