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年金運用心得帳:株式投信を選ぶポイント

その1 株式投信は確定拠出型年金の中軸商品です

確定拠出型年金では、法律によって運用のための商品として、性質の異なる3種類以上の商品を用意することになっています。そのなかの1本は必ず元本が確保されているものでなければなりません。これは2本以上については元本が変動する商品であっても、積極的に値上がり益を追及して、有利に運用できる商品が取り揃えられるということを意味しています。これは確定拠出型年金があくまでも老後に備えた年金という性質から、長期間の運用が大前提になっているからです。確定拠出型年金は60歳になるまでは引き出せません。また10年以上の加入期間が必要です。ということは最低でも10年間は加入するわけで、この間は掛け金が毎月積まれていくことになります。この掛け金を運用して年金とするわけですが、期間が長いだけに運用の成果によって60歳になった時の金額には大きな違いが出てきます。
 
掛け金の上限は企業型と個人型では違いますし、企業型でも従来型の企業年金制度の有無で違ってきます。企業型の場合、掛け金は企業が掛けてくれ自分の懐から出すわけではないので深く考えない方もあるかもしれませんが、運用で掛け金元本を上手に殖やすことが老後の安心につながるわけですから、有利に運用できる商品を選択することが望ましいことはいうまでもないことです。新たに確定拠出型年金制度だけを導入した企業の場合、掛け金の上限は月3万6000円になります。この上限額を30歳から30年間掛けたとすれば、掛け金総額は1296万円になります。これが毎年3%の利回りで運用したと仮定すると60歳時点では約2100万円になります。1%の利回りですと約1500万円、5%の利回りでは約3000万円になります。同じ掛け金でも運用利回りが1%と5%では、60歳時点では総額に2倍の差が生じます。運用の成果が生み出す差は極めて大きいものがあるわけです。
 
それだけに可能な限り利回りの高い商品を選ぶことが重要だといえます。現在の低金利時代では元本が保証される商品では1%の利回りさえ程遠い状態にあります。3年定期預金で0.07%ですから、年間の利息は100万円預けても700円にしかならないのです。3年間でたったの2100円です。10年国債は年利1.3%と1%を超えていますが、100万円が10年間で113万円になるだけです。このため、確定拠出型年金では有利性を謳った株式投信が運用商品として注目されています。株式投信は状況次第では年間に1割近い利回りの確保も可能なためです。しかも品揃えが豊富ですから、皆さんの関心も株式投信に集まる可能性が高いと思います。実際に米国の確定拠出型年金では約50%が株式投信に資金が流れています。ただ、株式投信を選ぶ場合にも何の知識もなく、何となく選ぶということは避けなければなりません。「美味い話には落とし穴がある」と言いますように、無手勝流では落とし穴にはまる危険性もあるからです。株式投信についての最低限の知識を身につけてから選択することが、後での後悔を避けることにつながります。


 

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