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京葉銀行本店ショーウィンドーギャラリー

備前焼

備前焼(びぜんやき)

備前焼は平安時代に始まり、室町時代に“侘び”“寂び”を好む茶人に重用され、茶道とともに発展しました。「投げても割れぬ、備前すり鉢」といわれる強度をもつ備前焼。岡山県備前の土は耐火度が低いという性質をもつため、じっくりと約2週間前後の時間をかけて焼きあげ、その強さをつくります。高温でガラス質の皮膜を作る釉薬(ゆうやく)*1を使わないことで、内部に微細な気孔ができ通気性が生まれ、酒やワインを美味しくしてくれます。また、花器ではきれいな水の状態が長時間保たれるため、花が長持ちするのです。展示品は、竹内靖之(たけうちやすゆき)氏作の土瓶です。緋襷(ひだすき)というワラを間にはさんだり巻いたりして焼くことで、緋色(ひいろ)の線が現れたものです。「盃にとくとく鳴りて土瓶蒸」と阿波野青畝(あわのせいほ)*2は詠みました。秋を感じる色と香りを楽しみながら土瓶蒸しを味わいたいものです。

*1釉薬とは、丈夫にし、水分がしみ込むのを防ぐため、焼く前に器の表面に塗る液のことです。木の灰と水に、わらを焼いた灰や粘土を加え作ります。

*2阿波野青畝は高浜虚子(たかはまきょし)に師事し、「かつらぎ」を創刊、水原秋桜子(しゅうおうし)、山口誓子(せいし)、高野素十(すじゅう)と並ぶ俳人です。