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本店ショーウィンドーギャラリー平成26年

2014年10月~12月

日本の伝統-日本の伝統色-秋の橙(だいだい)

橙を表す色は、絵画や工芸品、伝統芸能や文学の中に、多く生かされそれぞれに趣があります。
この期では、日本ならではの5種類の「橙」をご紹介します。

柿色:照柿ともいわれる色です。柿の果実のようなやや赤みの強い橙色をこう呼びます。江戸時代、ベンガラ(赤色の顔料)で染め付けをした柿右衛門様式といわれる陶磁器が「柿色」を代表する芸術作品として知られています。

人参色:まさに人参の根のようなあざやかな橙色をさします。ビタミンカラーとも呼ばれるこの色は、ポジティブな印象を受ける色です。明るい気持ちになれるため、さまざまなシーンで使われています。

橙色:果実ダイダイの皮の色です。橙色系統の総称としても使われています。この色は、果実とともに中国から輸入され、一般的な色名として使われるようになりました。

蜜柑色:一般的に親しまれている蜜柑色は、温州みかんの色です。橙色と似ていますが、比べると少し赤みが少なく黄色みが強い色を蜜柑色としています。

金茶色:金色がかった茶色に用いられることがありますが、古くは明るい赤みの茶色をこう呼んでいました。着物の地色、風呂敷、袱紗(ふくさ)などに好まれる色で、江戸時代中期、昭和初期に流行していたと言われています。

2014年7月~9月

日本の伝統-日本の伝統色-夏の青

今回は、日本特有の色として好まれている5種類の「青」をご紹介します。

群青色(ぐんじょういろ):飛鳥時代、中国から渡ってきた顔料から作られる「青色」で赤みの少ない紺色です。薄い青は「白群(びゃくぐん)」、濃い青は「群青」、紫がかった濃い青を「紺青(こんじょう)」と呼びます。

瑠璃色(るりいろ):瑠璃は古来より七宝(しっぽう)の一つとされた濃い青色の宝石です。同じような色のガラスのことも瑠璃と呼ばれていました。その代表的な作品が長崎びーどろです。

藍色(あいいろ):日本の伝統色での青色の多くは、古来より植物染料の「藍」を用いて染められてきました。藍染めの特徴は、薄い色は「緑」がかり、濃い色は「紫」がかっています。そして、虹を7色とする日本では、7色の中に藍色が含まれています。

杜若色(かきつばたいろ):古くはアヤメ科カキツバタの花を染料として布を染めていたため、この色名が付けられています。花名の「カキツバタ」は「書き付けの花」と呼ばれ染料として使われたことに由来します。鮮やかな紫がかった青色をこう呼びますが、実際の花の色は赤みがかった紫色です。

縹色(はなだいろ):つよい青色のことで、もともとは露草(つゆくさ)を染料として染めていた色ですが、色あせしやすいため藍で染めるようになりました。古くは、青色系統の総称として使われており、花田色、花色とも書かれます。

2014年4月~6月

日本の伝統-日本の伝統色-春は緑

今回は、春を感じる色として5種類の「緑」色をご紹介します。

鶯色:春を告げる鳥「うぐいす」の羽の色からつけられた色名で、やや茶色がかった渋い黄緑色です。オリーブ色系の緑色の中では代表的な色です。

青磁色(せいじいろ):やわらかい青みの緑で、淡い釉薬(うわぐすり)をかけた青みがかった淡い緑色のことを指します。日本の宮廷では秘色(ひしょく)と呼んで珍重したと言われています。

柳色:柳の葉のような柔らかな黄緑色で、平安時代から使われてきた色と言われています。淡い黄緑色は裏葉柳色(うらはやなぎいろ)と呼び、江戸時代から使われています。

若草色:春の野山を明るく彩る若葉の色です。万葉の時代から用いられた色で、明るく鮮やかな黄緑色系の色を指します。

萌葱色(もえぎいろ):平安時代から広く使われてきた色で、特に若者向けの色として愛されてきました。春、葱(ねぎ)の芽が萌え出るときの黄緑色を指します。江戸時代には、歌舞伎の定式幕(じょうしきまく)にも使われるなど人気のあった色です。

2014年1月~3月

日本の伝統-日本を詠う-「使う」

 新春にはさまざまな行事が行われます。なかでも書初めは代表的な行事です。
 「わんぱくや先づ掌に筆始」小林一茶は子どもたちが書初めをする前に、掌に試し書きをしているのを見てこの句を詠みました。子どもを見つめる一茶の優しいまなざしと愛に溢れた俳句です。
 日本の伝統文化にはさまざまな道具が使われています。例えば書初めならば筆ですが、それらは道具として“書”の伝統文化を支えています。
 今回はそんな日本の独自性が色濃く感じられる道具を集めました。穂先が羊毛や馬毛ではなく藁や竹で出来た筆、明治時代に風鈴職人によって開発されたガラスペン、奈良時代からの歴史を誇る、書物や邦楽の譜面を見るための見台。おなじく奈良時代から伝わる技法「木象嵌」で制作された箱、江戸時代に庶民に普及していた銀秤。伝統文化を支えてきた個性的な道具たちに、今年の年初は思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

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